栗城史多『NO LIMIT:自分を超える方法』(サンクチュアリ出版 2010)を読む。
「世界七大陸最高峰の単独・無酸素登頂に挑む若き登山家」という触れ込みの著者が、登山を志す意気込みや登山中の苦しみをポエム調で語る。ヒーローが活躍するアニメの曲の歌詞のようである。
最初から誰かに支持される冒険は、すでにできると思われていることだ。
本当の冒険は、否定されることからはじまる。
どれだけ否定する人が多くいたとしても、
その否定を応援に変えるほど、やりがいのあることはない。
他人の夢や志を信じられない人がいる。
彼らに夢や志を信じてもらうことが、僕らの使命だ。
否定を受け入れよう。
そのとき、敵なんて一人もいなかったことに気づくはずだ。夢を持ち、否定されても気にしない。
壁がきたときこそが、チャンスなんだ。
それを手にするためには、
また一歩を踏み出す勇気を持つこと。
成功の反対は失敗ではなく、
何もしないことなんだから。やがて自分のやっていることが道となり、
その道に花が咲くだろう。
だからあきらめないでほしい。
先程ネットで調べたところ、著者の栗城氏は昨年エベレスト登山中に滑落事故で亡くなっている。
冒険家や探検家という商売が成立しにくくなった現在だからこそ、恥ずかしげもなく冒険の意味を語ることが大切である。