爆笑問題『爆笑問題の日本史原論グレート』(幻冬舎 2002)を読む。
シリーズ第3弾ということで、教科書には詳しくは載っていない歴史上の人物を取り上げ、漫談調に解説が加えられる。徳川家康や宮本武蔵は別格として、内村鑑三、道鏡、出雲の阿国、滝沢馬琴、伊能忠敬、安倍晴明、石原莞爾、由比正雪、真田幸村、北条時宗の12人である。
印象に残った箇所を書き留めておきたい。
- 徳川家康:冷酷・狡猾な策を弄するところから「狸おやじ」というあだ名も
- 内村鑑三:愛国主義者かつキリスト教徒で、日露戦争に反対し、足尾銅山鉱毒事件でも闘争
- 道鏡:時の女帝・孝謙上皇と性的関係があったとも言われ、孝謙上皇は天皇位まで譲ろうとした
- 出雲の阿国:歌舞伎の創始者とも言われる女性であるが、晩年の詳細は不明
- 滝沢馬琴:28年間に渡って里見八犬伝を書き続け、日本初の専業小説家となる
- 伊能忠敬:伊能図をもとにした地図が公判されたのが1867年、一般向けの販売は1871年
- 安倍晴明:生前の詳細は不明で、没後に伝説が加えられていったのでは
- 石原莞爾:努力家で神経質で仕事熱心な東条英機に比べ、天才型で豪快で風変わりな石原莞爾
- 由比正雪:江戸・京都・大阪で一斉に爆破テロを起こして幕府を倒そうとクーデターを計画
- 真田幸村:サナダムシの語源は真田昌幸の刀の柄に巻いていた紐の形に似ていたからとも
- 宮本武蔵:吉川英治の小説の影響が強く、剣豪のイメージも創作によるものか
- 北条時宗:生誕時に諏訪湖に突然何百艘もの船が出現したという伝説に彩られる