芝生瑞和・文、桃井和馬和・写真『図説 アマゾン:大森林の破壊』(河出書房新社 1992)を読む。
アマゾンというと、今でも自然豊かな熱帯雨林というイメージが強い。しかし、アマゾン地域は数十億年経た地球最古の岩石層である安定陸塊に位置し、ブラジル楯状地とギニア楯状地という岩石塊の間にある。地表は生物の宝庫でも数十メートル掘り下げれば不毛な岩石が眠るだけである。
しかし、安定陸塊ゆえに鉄鉱石や金、マンガン、錫、ダイヤモンドなどの鉱産資源が豊富に産出する。アマゾン東部にある世界最大のカラジャス鉱山では、鉄鉱石のほかボーキサイトも発見され、アルミニウム工場も下流に建設されている。また、アルミニウムの精錬には大量の電力が必要となるため、工場を稼働するための大型ダムが周辺にいくつも建設されている。日本にも大量に輸出されている鉱業のために、土壌が破壊され、河川に水銀が漏出し、生態系が破壊され、先住民族が追われ、そして地球環境全体に大きな影響を及ぼす結果に繋がっていく。
本書では、1992年4月にリオ・デ・ジャネイロで開催された「環境と開発に関する国際連合会議(地球サミット)」の精神やアマゾンで暮らすインディオ・カンパ族の生活様式に習い、再生可能な範囲でのほどほどの開発と日本を始めとする先進国の責務を訴える。