「日仏防衛協力強化で一致」

本日の東京新聞夕刊に、小野寺五典防衛相がフランスのパルリ国防相と会談し、共同訓練の拡充など両国の防衛協力の強化を確認したとの記事が掲載されていた。また、阿倍晋三首相が掲げる「自由で開かれたインド太平洋戦略」について意見を交わし、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への圧力を継続する方針で一致したとのこと。

小野寺氏は会談冒頭で「フランスは太平洋に領土と広大な排他的経済水域(EEZ)を有し、自由や民主主義といった基本的な価値観を共有する特別なパートナーだ」と指摘し、2月には海上自衛隊とフランス海軍フリゲート艦による初の二国間訓練が予定されている。無人潜水機に搭載する機雷探知技術の共同研究など、防衛装備品の共同開発推進も確認され、フランスパレードへの日本側の出席も呼びかけられたとのこと。

夕刊の一記事なので見過ごしがちだが、いったいインド太平洋でフランス軍と軍事協力を進めることに何の意味があるのか。30年におよぶフランスの核実験場となったポリネシア・ムルロア環礁の防衛・安全管理に自衛隊が出動するのであろうか。そもそも19世紀の植民地政策で、原住民の生活を根絶やしにされてきたインド洋太平洋の諸島や海域を守ることに何の意味があるのか。

北朝鮮への圧力とあるが、何を仕出かすか分からない北朝鮮のイメージを悪用した便乗であり、この上ない愚作である。