本日の東京新聞朝刊に,日本が国際捕鯨委員会を脱退し,明日から領海(1852m×12海里=22.2km)と排他的経済水域(1852m×200海里=370km)内で商業捕鯨を再開すると記事が掲載されていた。
これまで日本は「調査捕鯨」という名目で,南極周辺の南氷洋やアリューシャン列島以北のベーリング海周辺で年数百頭のクジラを捕獲してきた。国際的枠組みで禁止されているにも関わらず,クジラの生態を調査するという目的で,商業ベースに近い捕鯨を30年近く続けてきたのだ。そうしたグレーな調査捕鯨を廃止し,国際捕鯨委員会を脱退した上で,EEZ内で捕鯨を再開するというのは分かりやすい動きである。
但し,商業捕鯨に関しては,賛成派も反対派も数値データよりも,水掛け論になりがちな文化や宗教をもとに主張を繰り返している。日本政府も「鯨食文化」に固執するが,果たしてどこまで復活するであろうか。小学校の頃,給食でクジラの竜田揚げが出たが,子供の味覚ではあまり美味しいとは感じなかった。
また,昨年インドネシアの国立公園の海岸に打ち上げられたマッコウクジラの死体から、6キロ近くのプラスチックごみが発見されたり,タイ南部では80枚あまりのプラスチック袋を飲み込んだゴンドウクジラが衰弱死したとの報道もある。クジラは肉食なので,他の魚の体内にあったプラスチックも一緒に飲み込んでしまう。タイのゴンドウクジラは救助活動の途中に5枚のプラスチック袋を吐き出したとのこと。国際捕鯨委員会もクジラを守りたいのであれば,商業捕鯨を巡って対立する前に,法の目を逃れて海洋に排出されるプラスチックゴミ問題に一丸となって取り組むべきであろう。
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