世界情勢研究会編『国境を越えるタブーの世界地図』(永岡書店 2005)を読む。
世界地誌の勉強の一つとして手に取ってみた。
コンビニや駅のキオスクに置いてありそうな内容で、世界各地で活動する(した)「テロ」集団や紛争、犯罪組織について、様々な類書を分かりやすく再構成した文庫本である。まずテロリズムを「イスラム過激派」「民族主義に起因するテロリズム」「政治思想に起因するテロリズム」と、宗教、民族、イデオロギーの3つに丁寧に分類し、、次に、そうしたテロや内戦が行われる地域性について、「パレスチナ問題と中東和平」、「バルカン半島」、「アフガニスタン」、「インドVSパキスタン」、「インドネシア」、「アフリカ諸国」の6つの場所を挙げてさらに解説が加えられる。
文庫サイズの本だったので気軽に読んでいたが、スーダンやリビア、パキスタンのイスラム過激派の内実や、インドネシアにおける独立問題、日本赤軍やドイツ赤軍といった、ニュースではよく耳にするのだが、あまり馴染みのない国や地域の問題が網羅されており、知識の整理に役立った。
後半に、そうしたテロ活動を支える「テロ支援国家」として、イランやイラク、シリア、キューバ、北朝鮮などの国に並んで、ロシア、アメリカ、イスラエル、インドといった国もきちんと明示されていた。安手の文庫本にはもったいないくらいの内容であった。