今日は池袋のジュンク堂で参考書を買ってきた。
河合塾講師の丸地宏始『丸地のマルチ式古文』(情況出版 1997)というものだ。97年4月発行の第一刷を手にしたのであまり売れてない参考書だ。「情況出版」から出ているということで興味を惹かれ買ってみたが、〈はじめに〉の項を読んで納得。著者の丸地先生は愛知大学出身ということだが、学生時代の話がそこに載っていた。
二十歳の冬、友人の親戚で本を整理することになり、手伝いに行こうと朝、自宅を出て百五十メートルほど行った所で、数人の黒いコートの鉄パイプを持った男達に襲われた。『内ゲバ』と呼ばれるものは知っていたが、それが自分に降り懸かってくるとは考えてもいなかった。しかし相手は僕を襲って来た。僕は『殲滅』されてしまった。”両足骨折頭部裂傷全治6ヶ月”であった。死ぬと思った。もし生きられるのなら、誰よりも最高に輝いている人生にしたいと思った。
しかし、さすが情況出版刊行の本だ。近刊で河合塾講師牧野剛氏の現代文参考書も宣伝されていた。これでは共産同の機関誌であった雑誌『情況』の予備校執筆陣を集めた本ではないか。そのうち表三郎や最首悟なども書くのであろうか。この本は売れていないだけあって、あまり受験生にはお薦めできない。しかし微妙な大学批判などマニアには面白い。