加藤弘一『電脳社会の日本語』(文春新書)を読んだ。
JISコードやユニコード制定における漢字の扱いについて分かりやすく書かれていた。インターネット社会ではアルファベットが中心であり、漢字はグローバル通信には馴染まないものだという意見がある。確かに漢字は「高」や「辺」という字には異体字が多く、どこで区切りをつけて分類するのか、特に人名漢字はその人のアイデンティティーに関わるために容易に解決できないだろう。しかし漢字は文字の形が一定しており表示と編集の違いを意識しなくて済む。漢字の処理が難しいといっても、量の問題に過ぎない。しかしアラビア語やチベット語の文字は前後との組み合わせによって字形が変化するので、現在の技術ではデジタル化できないというのだ。マックも来月からOSが根本から変わり、ユニコードとOpenTypeを基本とするようになるが、日本語環境には慎重を期して欲しい。
『電脳社会の日本語』
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