大学案内研究:作新学院大学

1885年船田兵吾が創立した私立英下野学校が母体となっている。1988年に中国の古典『大学』にある「作新民」という言葉を借用して、私立作新館と改称されている。戦後は中学校と高校と理容美容専門学校の3校から出発している。1953年に幼稚園、1954年に小学校、そして1967年に幼児科短大と次々に開学している。学院創立100周年記念事業なのだろうか、1989年に経営学部の4年制大学を発足させている。そして、2000年に地域発展学部、2002年に人間文化学部が開設されている。さらに、1993年に大学院経営学修士課程、95年に博士課程、2006年に心理学研究科(修士課程)が開設している。しかし、学生の評判は芳しくなく、早くも2005年には地域発展学部を改組し、総合政策学部と看板を付け替えたものの、学生は集まらず、2010年に募集を停止している。また人間文化学部だけでは苦しいので、2012年に受験生を呼びこめる小学校教員養成課程を設置して挽回を期している。
2014年度は、経営学科に加え新たにスポーツマネジメント学科の開設が予定されている経営学部と、言語文化・心理・社会について横断的に学ぶ人間文化専攻と、小学校教諭養成に特化した発達教育専攻からなる人間文化学部の2学部体制となっている。

典型的な親族経営の大学で、創立者船田兵吾の長男の船田中が ○○議員、孫の船田穣が栃木県知事、曾孫にあたる船田元氏は法人の理事長職であると同時に、現在栃木1区選出の自民党の衆議院議員○期目を務めている。
宇都宮駅からバスで25分という不便な場所にある。また、宇都宮から東京都心の大学に通うこともできるためか、学生募集は苦労している。2013年度は定員○○名に対し、入学者は○○名となっている。

パンフレットも郊外型の新興大学にありがちな内容となっている。資格取得や就職支援、国立よりも安くなる奨学金、美しいキャンパス風景、さらに遊びと両立したキャンパスライフや就職即結のプロジェクトの立ち上げ、学外業者一任の海外留学、楽しいイベントなど、授業内容や教育課程以外は盛り沢山の内容である。硬式野球部と陸上競技部、サッカー部が強化指定部となっており、大学の宣伝に一役買っている。

パンフレットにあった次の宣伝文句が格好良かったので、引用してみたい。

古代ヨーロッパの人々が泉に集い、そこから文明が生まれたように……
古代ギリシャの学者たちが集い、学問の扉が大きく開いたように……
今、水を湛えた作大キャンパスに学生たちが集い、書物を手に取り、語り合い、自らの未来を見つめています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください