パンフレット研究:神奈川歯科大学

神奈川歯科大学・神奈川歯科大学短期大学部のパンフレット(2014年度版)を読む。
1910年東京神田に創立した東京女子歯科医学講習所を起源とする。1934年日本女子歯科医学専門学校に改称し、大田区に移転している。そして、1950年に日本女子歯科厚生学校が開学し、わが国初の歯科衛生士養成を始めている。1963年に横須賀に移転し、4年制大学が開設されている。短大の方は国文科や商経学科などの開設廃止を繰り返し、現在では、同じ大学の敷地内に歯科衛生学科と看護学科を擁している。

歯学部全体が長期低落傾向にあり、神奈川歯科大学でもAO・推薦・一般・センター利用・編入と数多くの入試が行われているが、すべて全入状態である。入試要項だけを読むと、どこのFランク大学なのかと勘違いしてしまう。2014年度より学費が3055万円から2700万円に減額されている。成績上位3位までは1300万円近くまで免除されるが、あまり現実的とは言えないであろう。

保護者向けの資料には「歯科医師の将来性」というページに、歯科医師の高齢化が進んでおり、2008年現在9万7千名いた歯科医師が2018年には約7万人になるという試算が掲載されている。説明の最後に、「これから入学されるお子様が卒業し、独立・開業する頃には歯科医師不足に陥っている可能性があります」と希望を持たせるような記載がある。しかし、歯科医師が「独立・開業」するのは大学を卒業して早くても数年後のことであり、10年以上先の話である。10年先に数千万円に及ぶ先行投資が回収できれば良いが、一般の人は尻込みしてしまうであろう。

しかし、パンフレットの方は研究内容も、学生の様子もよく伝わってくるよくできたものであった。学生は美女美男子ばかりで、どこかのモデルかと見紛うようであったが、ほぼ全ページにわたって教員や学生の顔写真入りの紹介があるのはよい。充実した施設やクラブ・サークルの様子も伝わってくる。
歯科医師の就職や待遇が改善されれば、再び脚光を浴びてくる大学になるに違いない。資料の予想通りであれば、10年後には大学の難易度も上がってくるであろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください