町田洋『火山灰は語る:火山と平野の自然史』(蒼樹書房 1977)をパラパラと読む。
タイトルにある通り、著者は火山灰研究の第一人者で、日本列島が形成された第四期(約260万年前から現代まで)学会の研究会の会長を務めている。火山灰の分布する地域や、層の暑さなどから、噴火した火山を特定し、どれほどの規模の噴火であったのか推測を加えている。
学術書に近い内容で、ほとんど頭に入ってこなかったが、第四期の火山灰は人間が生活する地球表面上を覆っているものであり、人間の生活に直に結びつくものである。著者は最後に次のように述べる。
現代の都会の生活は、ともすれば足もとに“土”があることを忘れさせる。しかしひとにぎりの火山灰土には、その由来や年代に応じた個性があることに思いをいたすならば、それは災害を軽減し、火山灰土の合理的な利用を発展させ、さらに地球の未来を洞察する上のみなもととなるにちがいない。