月別アーカイブ: 2021年3月

『シュマリ』

手塚治虫『シュマリ』(角川文庫 1995)を読む。
1974年から76年にかけて「ビッグコミック」に連載された作品で、文庫サイズでも3巻構成となっている。北海道を舞台に、戊辰戦争後、アイヌの魂を持った侍や土方歳三、脱藩した武士などが、官軍(薩摩)に蹂躙されていく歴史を描く。スケールの大きい作品で、明治初期の時代の変化の大きさや価値観の崩壊などもテーマとなっている。一気に読み終えた。

『ギリシア神話』

中村善也・中務哲郎『ギリシア神話』(岩波ジュニア新書 1981)をパラパラと読む。
ギリシア神話が単なる架空のドラマではなく、宇宙や時間などの物理学、陸地や海などの地球科学、領土や歴史、同性愛や近親相姦などを戒める倫理などを伝える教科書的な内容のものだと分かった。だからつまらないのか(笑)。

「人気の『デーツ』の特徴は?」

本日の東京新聞朝刊に、ナツメヤシの実であるデーツが紹介されていた。
ナツメヤシは乾燥に強い作物で、砂漠気候帯のオアシス農業に関する授業で必ずと言ってもよいほど扱われる。来年度の授業で試食してみようかと思う。

今年度の授業では昆虫食を取り上げた。本当は実際に味わってみましょうと試食も検討したのだが、ウイルス感染拡大防止の観点からおじゃんになってしまった。来年度は少し改善されていると良いのだが。

「政治に志あれば脱原発しかない」

本日の東京新聞朝刊に、小泉純一郎元首相のインタビューが掲載されていた。
原発ゼロを進められる政治家はいるかとの記者の問いに、小泉氏は論語の一節を引用し、次のように答えている。変化をしないということは責任を負わないということである。これまで通りのやり方を踏襲していけば、表立って批判に晒されることも少ない。しかし、そのような風潮が蔓延すると、誰しもがマニュアルに従っていくだけの行動しか取らなくなり、何か問題があればマニュアルがおかしいと文句を口にするだけの不健全な組織になってしまう。小泉氏はそうした日本社会全体に警鐘を発している。

「信なくば立たず」だ。国民に信頼されなければ政治は成り立たない。志がある人間がトップに立ち、民衆の信頼を得られれば、必ず実行できるはずだ。電力会社や経産省が原発にこだわるのは、戦前、陸軍が満州(中国東北部)にこだわっていたのと似ている。連合軍は日本に満州撤退を求めたが、日本にとって満州国は、関東軍が占領して以来、多くの犠牲を払いながら守ってきた生命線。陸軍は撤退しないと固執し、内閣が押し切られ「必ず敗れる」とされた戦争に突入し、負けた。大事なのは過去に築いたものを守ることではなく時代の変化に応じて未来を築くこと。そのためには諦めることも必要だ。