日別アーカイブ: 2002年10月24日

「環境問題を考える-砂漠化を防ぐために-」

本日はNGO緑の協力隊関西澤井隊の澤井敏郎代表の講演「環境問題を考える-砂漠化を防ぐために-」を聞きに行った。
日本語で砂漠と書くと、「石が少なく水が莫い」と書くが、中国語では沙漠と「水が少なく、水が莫い」と表記する。日本で砂漠というとサハラ砂漠のように砂の平原を思い浮かべるが、植物の生育が厳しい年間降雨量250ミリ以下の沙漠は地球上の三分の一に及ぶという。そして一度沙漠化した地域には人間が住まなくなり、一層沙漠化が進行するという悪循環が世界中で起こっている。そのために植林が有効であるという。「植林」と聞くと何か途方もない労苦のように捉えがちであるが、水をよく吸収する素材と一緒に植えることで、すくすくと成長し、数カ月単位で効果が表れてくる。

話を聞きながら田中康男の「脱ダム宣言」を思い出していた。「木を植える」ということはつい最近まで数百年単位のことであった。名園の松や屋久島の杉など下手すれば千年という時間を私達に提示する。だが生理用品やおむつにも使われている水分吸収剤を用いれば数カ月単位になるという事実は、「悠久の」という枕詞で形容してしまう日本人の自然観そのものを変えてしまうだろう。そうなると何も手を加えないだけの自然保護運動は再考を迫られるだろう。