江藤淳『昭和の文人』(新潮文庫 2000)を軽く読む。
中野重治に関する文章が興味深かった。
日別アーカイブ: 2001年4月12日
『パソコンで仕事が2倍できる』
諏訪邦夫『パソコンで仕事が2倍できる』(技術評論社 1996)を読む。
特に感想なし。
『ウフフのお話』『ルンルンを買っておうちに帰ろう』
林真理子『ウフフのお話』『ルンルンを買っておうちに帰ろう』(文芸春秋)を読む。
特に感想なし。
『スティーブ・ジョブズの再臨』
現在、東京新聞の懸賞で当たったAlan Deutschman著『スティーブ・ジョブズの再臨:世界を求めた男の失脚、挫折、そして復活』(毎日コミュニケーションズ 2001)を読んでいる。
現アップルコンピュータ社長のスティーブ・ジョブズがジョンスカリーによってアップル社を解雇されてから、ネクスト社の創立、そしてまた再びアップル社に戻ってくるまでの、あまり公にされていない時期の話である。なかなか興味深いエピソードもあるが、翻訳がよろしくない。マック関連のコンピュータープログラマーが訳しているので大変読みにくい。大体英語のレトリックは直訳で日本語にするものではない。例えば以下のような文章がある。
だが、最終的に彼らは、官能的なスタンフォードの丘とつながりながらもひっそりしたディアクリークロードにあるコンクリートとガラス製の小さな建物を借りることにした。彼女は、目の前に広がる荒廃したスペイン修道院様式の泥棒貴族的な邸宅を見つめた。それは、カリフォルニアの建築にお決まりの様式であり、シリコンバレーの恐ろしく狭苦しい郊外を埋め尽くした数多くの無数の郊外住宅と同じく、お約束とも言えるしっくい壁と傾斜した赤い日干しレンガの屋根を持っている。異なるのは、この崩れかかった奇怪な建物は、本当にスペイン風の修道院並に大きかったということだ。
まったく引用するのもウンザリな直訳調文章が続くのだ。こうした前時代的な翻訳文章が今また出始めているというはパソコンの翻訳ソフトの影響であろう。誰しもがボタン一つで翻訳できるようになったため、翻訳の門外漢が出来の悪い翻訳本を乱売しているのだ。しかし高校までの国語教育で外国文学に触れる機会はほとんどない。現代文も漱石、鴎外、大宰、芥川が中心で、翻訳された文章を読むことはあまりない。昔のロシア文学などのあまりにかたっ苦しい翻訳にも閉口するが、最近の教科書通りな翻訳ソフトの文章も読んでいてつらいものがある。