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『侍タイムスリッパー』

安田淳一監督/脚本/撮影/編集、山口馬木也・冨家ノリマサ・沙倉ゆうの・峰蘭太郎ほか主演『侍タイムスリッパー』(2024,未来映画社)をもう一度観に行った。
流石に最後の対決の場面は結論が分かっていたので、ドキドキはしなかったが、序盤と中盤は繋がりを確認することで十分に楽しむ事ができた。続けて2度も同じ映画を観るという経験は、生まれて初めてではないだろうか。エヴァンゲリオンなど時間をおいて観たものはあったが、わざわざ映画館で観るほど、役者の演技やセリフに魅力があるという証拠である。

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』

ララガーデンで、アレックス・ガーランド監督・脚本、キルスティン・ダンスト主演『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(2024 米)を観た。
カリフォルニア州とテキサス州が西部勢力として独立し内戦状態に陥った米国において、西部勢力側と一緒に行動する戦場カメラマンの活躍と苦悩が描かれる。最後は米大統領が西部勢力の兵士によって殺されるショッキングなシーンで終わる。

戦場カメラマンの恐怖や苦悩は描かれるが、一体なぜ内戦状態に陥ったのかという背景の説明が全くなく、映像は迫力あるものの映画全体の印象が薄い作品となってしまっていた。

『侍タイムスリッパー』

安田淳一監督、山口馬木也、冨家ノリマサ、沙倉ゆうの主演『侍タイムスリッパー』(未来映画社,2024)を観にいった。
単館上映の自主制作映画であったが、評判に評判を呼び全国上映に拡大され、ネットやニュースで噂になっていた作品である。フィクションとノンフィクション、幕末と現代がそれぞれ重層的に進行しながら、絡み合い、そしてそれぞれの物語が成長していくという奇跡のような映画となっている。

また、ちょうど先月、会津若松城に行ったばかりだったので、会津藩出身の侍に想いを寄せてしまい、新撰組の活躍を描いた司馬遼太郎の『燃えよ剣』の感動もよみがえってきて、感動も一入であった。本当にいい映画に出会えることができた。観客それぞれに違った感動があるのだろう。もう一回観たい映画であった。

『インサイド・ヘッド2』

春日部イオンで、ケルシー・マン監督『インサイド・ヘッド2』(2024,米)を観た。
字幕版が上映されていなかったので、吹き替え版を観た。時折日本語の看板やビラが映り、日本の芸能人が吹き替えを担当し、さらにエンディングもSEKAI NO OWARIの曲が流れているので、いったい洋画と邦画の区別はどこにあるのだろうと感じた。

『ガザ 素顔の日常』

会議後は、ガリー・キーン、アンドリュー・マコーネ ル監督作品『ガザ 素顔の日常』(2019)の上映会が 実施された。タイトル通り、イスラエルによる侵攻が始 まる前の、“天井のない監獄”とも評されるガザ地区 に暮らす市民の日常が描かれる。前半は、商店街に は物があふれ、スポーツやおしゃれを楽しむ若者も 多く登場するシーンが続く。しかし、後半に入ると、 銃声が街中に鳴り響き、常に死と隣り合わせの不安 な日常シーンが続く。夢も希望も抱くことができず、 フェンスの中で人生を終えるしかないという諦めが、ガザ地区生まれの子どもたちへと受け継がれていく。 怒りや悲しみは、時に生きる原動力にもなるが、諦 めからは何も生まれない。そんな市民がどうしてフェ ンスの中を逃げ惑うことになるのか。映画の中で直 接は語られないが、観客の心の中に、「どうして」と いう疑問が印象付けられる映画であった。