映画」カテゴリーアーカイブ

『戦場にかける橋』

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地上波で放映された、デヴィッド・リーン監督、『戦場にかける橋(The Bridge on The River Kwai)』(1957 米・英)を観た。
本編が161分の映画が90分程度にカットされていたので、粗筋だけを繋いだような感じだったが、ニコルソン大佐の最期まで興味深く鑑賞した。「さるゴリラチンパンジー♪」の歌詞で知られる「クワイ河マーチ」の音楽とともに印象に残る作品であった。捕虜施設における強制労働の現実や、軍人とのしての誇りなどが丁寧に描かれていた。また、形あるものを共同して作る労働の楽しさや、労働と生きる目的など、示唆深い台詞もあった。
話の内容を忘れた頃に、もう一度カットなしで全編鑑賞してみたい作品であった。

『ローン・サバイバー』

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子どもをお風呂に入れてから、春日部イオンで、ピーター・バーグ監督・脚本『ローン・サバイバー(原題:Lone Survivor)』(2014 米)を観た。
3ヶ月前に購入したイオンシネマパスポートの有効期間の最後の日だったので、名残惜しくチケットを受け取った。10,000円もしたパスポートであったが、十分に元は取ったはずだ。これからは有料になるので、しばらく映画館通いを控えようと思う。

映画自体は、アメリカ海兵隊の特殊部隊ネイビーシールズ史上最悪の惨事と呼ばれたレッドウィング作戦の全貌を描いた戦場アクションである。実際に作戦に参加し唯一生還した兵士の回顧録を原作に、アフガニスタンでのタリバン勢力との極限状況下の戦場の真実がリアルに映し出されている。
この手のハリウッド戦争映画にありがちな、結局は米国の愛国主義に流れ込ませるような、友情や勇気が主題となっている。しかし、たった一人の敵を殺すために何百人の人間が犠牲となったり、逆に一人の仲間の兵士を救うために、これまた何十人の犠牲を払ったりする戦争のバカバカしさは十二分に伝わってきた。一体戦争にどんな意味があるのか。国家レベルではアラブの大義だの、民主主義だの喧しい。しかし、実際の戦闘場面では、一発の銃弾でいとも簡単に命を粗末にされていく不毛なものである。

『気球クラブ、その後』

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地上波で放映された、園子温脚本・監督『気球クラブ、その後』(2006 エム・エフボックス)を観た。
評価の難しい映画であった。大学の気球サークルの仲間たちが、サークルの代表の事故死をきっかけに5年ぶりに出会う様子が描かれる。途中、気球を中心とした群像劇も描かれ、私の好みの映画なのだが、テーマがぼんやりとしており、作品にのめり込めないままにエンディングを迎えた。昔のVシネマを観ているようだった。
ただ、主演の永作博美さんや川村ゆきえさんの表情が良かった。

『ドラえもん 新・のび太の大魔境 』

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息子二人を連れて、春日部イオンで、藤子・F・不二雄原作、八鍬新之介監督『ドラえもん 新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜』(2014 東宝)を観た。
小学校の時以来、30年ぶりに観た。当時は、アマゾンの奥地にある遺跡に近づく冒険ドラマとして鑑賞していた。しかし、やはり時代であろうか、今作では前人未到の大魔境にアプローチして行く冒険の不安や期待よりも、友情や仲間といった人間ドラマの方に重きがおかれていた。
今日が公開初日であったので、子どもたちがたくさん来ており、久しぶりに映画館で笑いの声を聞いた気がする。途中うとうとしてしまったが、真ん中の子は一睡もせずにしかめっ面で観ており、下の子はぐっすり夢の魔境を彷徨っていた。
物語の最後、どこでもドアでいつもの広場に帰ってきて、のび太くんの「僕たち、大人になっても、こんな冒険できるかな?」というつぶやきが印象的であった。

『喪服未亡人 四十九日の情事』『性愛婦人 淫夢にまみれて』 

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先週、成人映画専門の上野オークラ劇場で、3本立てのうち、関根和美監督・脚本『喪服未亡人 四十九日の情事』(2013 OP映画)、池島ゆたか監督『性愛婦人 淫夢にまみれて』(2010 OP映画)の2本を観た。
両脇に荷物を置いてガードを固めたので、「妨害」も近づいて来ず、ゆっくりと鑑賞することができた。
『性愛〜』は、ピンク映画界の巨匠として知られる池島監督がメガホンをとっており、2010年に第23回ピンク映画大賞を受賞している。妻が精神的におかしくなってしまったと悩み続けている元高校で地学を教えていた夫が主人公なのだが、実が精神的病に冒されていたのは夫の方であり、歪んだ夫婦愛や不倫と性愛との関係が上手く表現されている。
『喪服未亡人』は途中寝てしまったのだが、いかにもピンク映画的な女優の演技が興味深かった。

意外にもカップルでくる客も多く、饐えたような匂いが充満した映画館という昔のイメージはなくなっていた。他の人とエロスを共有するという体験は、性欲を持った自分自身の肯定にも繋がっていくので、ネット全盛の今、見直されていいものの一つであろう。