読書」カテゴリーアーカイブ

『能を楽しむ』

増田正造・戸井田道三『能を楽しむ』(平凡社カラー新書 1976)をパラパラと読む。
イランやドイツで能舞台の海外公演が大人気という話題に始まる、能舞台の入門書となっている

兼好法師の徒然草「花は盛り」の一節「都の人のゆゆしげなるは、 睡りていとも見ず。」を挙げて、中世の頃からお花見や葵祭の見物で、派手さだけを喜び、心で鑑賞する余裕や間を味わうゆとりが失われており、ましてや現代において寡黙な文化が

『ゲンバクとゲンパツ』

淡路忠男『ゲンバクとゲンパツ:核時代を考え、生きる』(みずち書房 1990)を読む。
チェルノブイリ原発事故が起きてから、まだ3年という頃に刊行された本である。広島・長崎の原爆に始まり、「平和利用」を隠れ蓑にした原子力発電の開発、各地で頻発していた事故の報告、チェルノブイリ原発事故、日本の核燃料輸送の実態などが分かりやすく説明されている。

『スポーツと健康』

石河利寛『スポーツと健康』(岩波新書 1978)をパラパラと読む。
学術論文のような体裁で、ハードルの高い内容であった。結論は簡単で年齢を重ねても定期的に有酸素運動を続けることが大切だということだ。50年近い前の本であるが、当時から自転車は血圧や心拍数の計測がしやすいため、科学的なトレーニングの研究対象となっていた点が興味深かった。

『童謡の謎』

『伝え残したい童謡の謎:ベスト・セレクション』(祥伝社 2014)を読む。
授業の雑談などで使えそうな話題が

徳川五代将軍綱吉は戌年生まれだったことから、犬を過度に愛護した。さらには、犬だけでなく、他の昆虫まで殺したら罰せられるという時代だった。しかし、鳥類だけはオーケーだった。綱吉自身が鶏肉が大好物だったので、鶏の肉を食すことが禁じられていなかったのだ。さらにもうひとつ、うさぎの肉も大好きだったのである。そこで、「うさぎは跳ぶから鳥である」という強引な理由がつけられ、今なお、うさぎのことを「○羽」と数える習慣が残っている。

「手のひらを太陽に」の作詞家は、「アンパンマン」のやなせたかしである。1961年に作られ、子ども向けの歌として作ったものではなく、厭世的な気分に追い込まれていた自らを励ますために作った詞である。

「夕焼け小焼け」は1923年9月1日に発生した関東大震災で、親を亡くした子どもを勇気づけるために作られている。「山のお寺」とは死者が弔われる場所であり、死者の使いであるカラスと一緒に帰る様子が込められている。

『ニングル』

倉本聰『ニングル』(理論社 1985)を読む。
既に休刊となったが、雑誌「諸君!」(文藝春秋社)に1985年の1年間にわたって連載されていた小説である。連載していた雑誌宛に手紙が届いたりと、ドキュメンタリっぽい展開のファンタジー小説となっている。

富良野の森の妖精であるニングルは、300年にわたって作り上げてきた森や水脈が、人間が開発した機械によって、わずか10分で破壊されてしまう恐怖を語る。ニングルとの出会いを通して、北海道の恵の水を生み出す森林が一方的に破壊されていくことに、人々が気づき始めていく。

文章が変だが、おしまい。