『「見えざる手」が経済を動かす』

池上彰『「見えざる手」が経済を動かす』(筑摩書房 2008)を読む。
先日読んだ細野真宏さんの本より歴と分かりやすかった。アダムスミスの「見えざる手」である「市場原理」が、基本的に社会を良い方向に変えてきたという論点に立っている。東ドイツの経済の停滞や国鉄、郵便業務、電電公社などの改革が、国民に利便性をもたらした背景について分かりやすく説明されている。一方で、アメリカの医療保険制度や日本のタクシー業界など、新自由主義の行き過ぎが社会に混乱をもたらした点についても丁寧に触れられている。