地理」カテゴリーアーカイブ

「米国主催の民主主義サミット 台湾を含む110ヵ国・地域招待」

本日の東京新聞朝刊に、バイデン米政権が自身が主催するオンラインサミットに台湾を含む110ヵ国と地域を招待したとの記事が掲載されていた。少し気になったのが、「国と地域」という表現である。今夏の東京オリンピックでも、世界の206の国と地域が参加している(実際は北朝鮮やギニア、アフガニスタンが辞退したため161)。一体「国」「地域」と書き分ける違いはどこにあるのだろうか。

先日の授業の中でも触れたが、国家が成立するための三要素として「領域」「国民」「主権」がある。まずこの三要素がない国は国家として国際的に認められていない。 しかし、三要素を満たしていて世界的から見れば「国」であるのに、日本にとって「国」と承認していない「非公認の国」というものがある。それがいわゆる「地域」と呼ばれる。記事にもある台湾はもちろん三要素を満たし「国」として世界的に存在している。 しかし、日本は、1972年の日中共同声明において「台湾」は「中国」の一部であり「独立国ではない」という中国側の見解に与していることから、台湾は「国」には数えられていない。同様に香港や北朝鮮も、日本政府が双方に大使館を

日本と台湾は非政府間の実務関係として維持されています。 正式な外交関係を失ってはいますが、経済交流、人的交流等の各分野で発展を図っています。

「チリ大統領選 決戦投票へ」

本日の東京新聞に南米チリの大統領選挙の途中経過が報じられていた。
チリは銅鉱の輸出が世界第1位で、経済的には一人当たりGDPが12,990ドルもある平均以上の国である。中南米の「優等生」とも評され、国際社会における評価も高い。

しかし、このチリですらコロナ禍で、昨年の経済成長率は-5.8%(2020年 IMF)となり、国内で格差が拡大している。世界的な傾向であるが、国内の経済的格差が露わになると、国民の内部に憎悪が生まれてしまう。そこで政府は国外に仮想敵を作って、スケープゴートにしようとする。チリは南米の中では安定しているので、政府が破綻しかけているベネズエラから難民が押し寄せている。こうした移民を国民の共通の敵であると設定し排撃することで、世論を形成しようとするのがトランプ流の政治手法である。

ちなみにベネズエラは人口が2,795万人(2021年)もいるのに、GDPは473億ドル(2020年)である。GDP成長率は-30.0.%(2020年)であり、物価上昇率は2,355.0%(2020年)にも達する。

もう一つの手法は、国内の経済格差を縮小するために、富裕層や大企業への課税を増やし、貧困層への「分配」を重んじる社会主義的改革である。しかし、経済成長と平等な分配の両立は、口で言うほど簡単ではない。チリの大統領選の投票結果でも、決選投票となったものの、格差是正を掲げる左派勢力よりも、治安対策を訴える右派勢力の方が上回っている。

「コオロギ食でタンパク質」

本日の東京新聞朝刊に、JAグループが主催するオンラインシンポジウム「SDGs『国消国産の日』を契機に、持続可能な食料生産、暮らしやすい地域社会について考え、行動する」の特集記事が掲載されていた。その中で昆虫食のベンチャー企業を立ち上げた東京農業大学の学生のコメントが目を引いた。

環境負荷の小さい昆虫食は、食品ロスという観点だけでなく、牛肉・豚肉の生産に必要な飼料穀物の生産増に伴う地球温暖化の解決の一助ともなっている。授業の中で結構取り上げるテーマだが、生徒の関心は低く、まだゲテモノ扱いに留まっている。

タンパク質は炭水化物・脂質とあわせて三大栄養素と呼ばれている。人間の筋肉や臓器、体内の調整に役立っているホルモンの材料となるだけでなくエネルギー源にもなっている必要な栄養素である。主にアミノ酸によって構成されており、動物性タンパク質と植物性タンパク質に大別される。肉や魚、卵や乳製品に含まれる動物性タンパク質は、植物性に比べ必須アミノ酸の含有量が高く、寿命にも効果が高いとの研究もある。

昆虫食はこの動物性タンパク質を豊富に含んでいる。弘前大学農学生命科学部環境昆虫学研究室管原亮平先生によれば、バッタは草しか食べないが、コオロギは人工飼料も食べるので、増やしやすいというメリットがあるとのこと。まさに昆虫のフィードロットではないか!

「ミャンマー軍トップの出席容認を 中国打診 ASEAN拒否」

本日の東京新聞朝刊に、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議で、中国がミャンマーの軍事政権総司令官の出席をアセアン各国に打診したとの記事が掲載されていた。記事では触れられていないが、中国は「一帯一路」の実現に向けて、ミャンマーの軍事政権を支援している。

昨日のNHKの番組でも放映されていたのだが、中国はマラッカ海峡を通らなくても南シナ海からインド洋に抜けられるように、マレーシア半島のミャンマーとタイの国境近くを縦断する運河の建設を計画している。そうした中国の世界戦略に東南アジアの理解が必須となる。ASEAN首脳が拒否しようと、中国の投資は拡大する一方である。