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「日米豪印 結束を確認」

本日の東京新聞朝刊に、いわゆる米国流「民主主義」を共有する日米豪印の4カ国の協力枠組み「クアッド」の外相会合がわざわざ対面で行われたとの記事が掲載されていた。

まん延防止等重点措置が全国に拡大し、児童生徒の学習権が侵害されている中、オンラインでの会合で済ますことができなかったのであろうか。中身の議論よりも、4カ国の外相が膝を突き合わせている構図の写真の演出効果の方に重点が置かれているのであろう。

この日米豪印の4カ国による中国・ロシア封じ込め政策の記事を読んでいると、第二次大戦後の米国主導の冷戦体制を築いたトルーマン米国33代大統領を彷彿とさせる。トルーマンは1945年から1953年までの8年間在任し、日本の原爆投下のゴーサインを出した大統領としても知られる。ウクライナ情勢で問題となっている北大西洋条約機構(NATO)を創設したのもトルーマンである。第二次大戦集結から70数年、ベルリンの壁崩壊から30数年経っているのに、まだ冷戦構造は残っていたのか。

「ロシア、ベラルーシ合同演習開始」

本日の東京新聞朝刊記事より。
ここしばらく、ウクライナ情勢に関する報道が終わらない。
ちょうど期末考査の論述にウクライナ情勢を入れているので、関心のある人は記事をクリックして拡大して読んでみてください。

ベラルーシは旧ソ連時代には白ロシアと呼ばれ、民族的な近さもあり伝統的な親ロシア国となっている。政治的には、プーチンの独裁政権に近いルカシェンコ大統領が1994年の初当選以降、5期20年以上にわたって現職の座に着いている。また経済的にも、ロシアへの依存度が高く、輸出の4割、輸入の5割がロシアとなっている。2015年1月には、対外統一市場の形成、域内の人・モノ・サービスの自由を発展させる狙いで、ベラルーシとロシア、カザフスタン、アルメニア、キルギスでユーラシア経済同盟が発足している。

記事を読むと、ベラルーシ国内での合同演習ということだが、演習終了後もウクライナ侵入に備えて、ベラルーシ国内にロシア軍が留まるとの見方を示されている。また、写真にもある地対空ミサイルS400は、Wikipediaによるとロシアとベラルーシの他、中国とトルコに配備されているとのこと。トルコがロシア製の武器を購入したとの記述は意外であった。

「ベネズエラ 増える児童労働」

本日の東京新聞夕刊記事より。
ベネズエラは日本の面積の2.4倍の912,050平方キロメートル、人口は2,795万人(2021年、IMF)となっている。

ベネズエラは、世界有数の石油産出国であり、同国経済は、石油収入に大きく依存している。原油の確認埋蔵量は、オリノコ川北岸の超重質油も含め、3,038億バレル(2020年、BP統計(2021))と世界第1位を誇る。また、天然ガスの確認埋蔵量は6.3兆立方メートル(2020年、BP統計(2021))と世界第7位で、この他にも、鉄鉱石、ボーキサイト、金、ダイヤモンド等を豊富に産出する。

こうした資源国では、資源を国家で独占することができる、独裁的な左翼政権が誕生しやすい。ベネズエラも例外に漏れず、1999年2月、低所得者層の高い支持を得て、独裁的なチャベス大統領が就任し、新憲法の制定や低所得層支援の推進、ベネズエラ石油公社の掌握を通じた経済活動によって、国家管理体制が強化されていった。

チャベス大統領の急逝後、2013年4月にチャベス大統領の後継者であるマドゥロ大統領が就任してから、より独裁色が強くなっていく。2019年2月には、米国との外交関係の断絶を発表、在ベネズエラ米国大使館閉鎖も閉鎖されている。さらに、イラン、ロシア等との関係が強化され、近年は特に、経済・金融を中心に中国・トルコとの関係を強化し、2019年8月には北朝鮮にベネズエラ大使館が開設されている。

2017年11月以降、ハイパーインフレーションが継続し、GDPは2014年以降マイナス成長となり、GDPは約80%減少もしている。政治社会情勢やインフラ悪化によりベネズエラ国民の国外流出が増加。特に、2019年の一連の情勢悪化を背景に急増し、これまでに約570万人のベネズエラ国民が近隣諸国(特にコロンビア、ペルー、チリ等)に流出する事態となっている。

「カタールの天然ガス カギ」

本日の授業で紹介した記事より。
ウクライナ情勢が一日ごとに緊張を増している。そうした背景の一つに欧州の天然ガスの問題がある。環境に敏感な欧州は、パリ協定(国連気候変動枠組条約締約国会議COP21))においても、脱石炭火力発電を主導する立場となっている。ドイツやオランダといえども、まだ現状は再生可能エネルギーだけで国内のエネルギー需要を満たすことはできない。天然ガス火力発電と、原子力発電を二本柱にしているフランスなどの例もある。

記事の中の地図を見てもらえば分かるが、天然ガスが豊富なロシアから何本もの天然ガスパイプラインがEU諸国に接続されている。ロシアはスイッチ一つで欧州向けの天然ガスを止めることができるのだ。多くの工場を抱えるEU諸国も産業を止めるわけにはいかないので、いざウクライナ戦争が勃発しても停電

「五輪外交で欧米牽制」

本日の東京新聞朝刊記事より。
一昨日から北京五輪が開幕した。五輪はもちろんスポーツの祭典だが、それと並行して政治や経済の祭典も開催される。G7やG20加盟国ではない国の首脳も一堂に会するので、条約や貿易に関する交渉もエキサイトする。日本を含む英米に近い国は、新疆ウイグル自治区や香港、台湾での人権侵害を理由に「外交ボイコット」を展開しており、選手は参加しているが、政府関係者は一切参加してない。

日本の場合、中国を無視も出来ないので、室伏広治スポーツ庁長官の派遣は見送ったものの、日本オリンピック委員会の山下泰裕会長と、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長を務めた橋本聖子参院議員の派遣を決めている。

閑話休題。
記事によると、中国・習近平国家主席は、カザフスタンやトルクメニスタン、エジプト、セルビアの大統領と膝を交えたとのこと。ミャンマーの軍事政権やアフガニスタンのタリバン政権の関係者こそ参加していないものの、中国と経済面だけでなく軍事面でも関係の深い国の名前が並ぶ。「一帯一路」経済圏構想が貿易・流通の加速化だけでなく、武器・弾薬と独裁政権のノウハウまでが世界中に広がっているような気がする。