地理」カテゴリーアーカイブ

「アフガン地震 救助難航」

本日の東京新聞夕刊に、アフガニスタン東部で発生した地震の模様が報じられていた。
地図帳でアフガニスタンの位置と今回の地震の発生地域、プレートの境界線の地図を並べてみたい。

言わんとするところは分かるであろう。アフガニスタンとパキスタンの国境沿いは、ヒマラヤ山脈を形成したユーラシアプレートとインド・オーストラリアプレートの境界に位置している。プレート同士が横にずれる境界であり、歪みが放出された時に、地中内部だけでなく、地表面も多きくずれることが多い。政府が機能していないアフガニスタンなので、最終的な死者・行方不明者はかなりの数に上るであろう。

日本にとっても、決して対岸の火事で済まされる災害ではない。現在国会は閉会中だが、難民の受け入れなど積極的な支援策を期待したい。

「全個体電池 開発に期待」

本日の東京新聞朝刊に、高効率ながら液漏れの危険もあるリチウムイオン電池を全て固体化し、大容量かつ安全に運用できる全個体電池の開発が進んでいるとの記事が掲載されていた。

太陽光や風力などの再生可能エネルギーの普及が進むが、その電力を貯めて蓄電池の普及が遅れている。電気自動車も性能や安全性は周知されつつあるが、リチウムイオンの蓄電池が高価格のため、値段と航続距離がゼロサムとなってしまう。

「絶滅動物復活なるか」

本日の東京新聞朝刊に、マンモス復活のプロジェクトを手掛ける近畿大の研究チームが紹介されていた。近年の地球温暖化の影響で、ツンドラ気候の永久凍土の中で数万年もの間氷漬けにされていたマンモスの死体がほぼ完全な形で発見されるようになった。骨だけでなく肉や皮膚組織までも壊されることなく発見され、解凍したところ細胞分裂の一歩手前まで蘇生したとのことである。今後万能細胞の活用が進めば、古代の恐竜や動物の復活も夢ではない。

それにしても、数万前の氷河時代の氷が溶け始めているという事実はきちんと受け止めておきたい。昨年の冬にもヒマラヤの氷河が崩壊し、下流のインド北部ウッタラカンド州では大洪水となっている。マンモスだけでなく、人類の健康に著しく影響を与える細菌や微生物などが復活することも考えられる。詳細は授業の中で補足したい。

「最後のNY市公衆電話撤去」

本日の東京新聞朝刊記事から。
なぜ、このようなニュースを取り上げたのかというと、地理B(地理探求)の共通テストで何度か、固定電話の普及率と携帯電話の普及率に関する問題が出題されたからである。ぱっと見、以下の公衆電話の記事を読むと、高校生の皆さんは古臭い話題が取り上げられているんだなと感じてしまうかもしれない。

しかし、公衆電話を含めた固定電話網は先進国と呼ばれる国ほど普及しており、BRICS含め、この1990年代以降に経済成長を遂げた国は、固定電話網が普及する前に携帯電話の基地局が整備されたので、スマホは持っているが、街中に公衆電話がなく家にも固定電話がないというのが常識になっている。数年前にヨーロッパの国とアフリカの国の電話網の比較から、国名を答える問題が出題されている。

ここでいう先進国とは一人当たりのGNIが10,000ドルを超える国であり、190数カ国の3分の1を占める。また、開発途上国とは一人当たりのGNIが3,000ドル以下の国であり、同じく190数カ国の3分の1くらいの数である。地理総合で配布している統計データに詳しく載っているので、興味ある人見てほしい。高校や大学の偏差値を見ると、その学校の雰囲気が大体理解できるように、一人当たりのGNIを覚えると、大体の国の様子が見えてくるであろう。

地理で受験を考えている人は、一人当たりのGNIを必ずチェックしておこう!
また発表を聞きながら、「国全体のGNI÷人口=一人当たりのGNI」を頭の中で計算していくと、発表内容以上にその国を知ることができるはず。

「外国人の夫に在留資格を」

本日の東京新聞夕刊に、望月衣塑子記者の署名記事で、日本人と結婚したにも関わらず、在留資格が切れてしまい、家族がバラバラになってしまった外国人の事例が紹介されていた。望月さんは映画化もされた著書『新聞記者』で、歯に衣着せぬ発言で注目されている記者である。

私は授業の中で、資源・エネルギー問題と、移民・難民問題の2本の柱を常に意識している。資源・エネルギー問題では、日本の地帯構造や地球温暖化、石炭の仕組み、ロシアの外交などの話題に触れる中で、日本が取るべきエネルギー政策を考えてもらいたいと考えている。もう1つは移民・南民問題である。独裁政権や飢餓、EUに流入するシリア難民、日本で暮らすクルド人コミュニティなどの話題から、皆さん一人ひとりが今後の日本の移民政策に向き合ってもらいたいと考えている。

今回は日本の移民政策に関する