地理」カテゴリーアーカイブ

「米,GAFA調査へ」

本日の東京新聞夕刊に,アメリカ政府と規制当局がそろってグーグル,アップル,フェイスブック,アマゾン・コムの4社を反トラスト法(独占禁止法)で対処を検討しているとの記事が掲載されていた。

反トラスト法とは,資本主義の根幹である自由競争そのものを阻害する独占資本の形成を規制するという法律である。昨年の授業でも扱いましたが,GAFAは多国籍企業で脱税の疑いもあり,米国だけの監視強化でなく,他国的な枠組みでの調査が求められる。

また,今回の反トラスト法であるが,日本では独占禁止法という法律で知られている。独占禁止法は内閣府の外局として置かれている公正取引委員会が運用するものである。
そもそも公正取引委員会が誕生したきっかけは,1945年10月にマッカーサーが幣原首相に口頭で伝えた五大改革の目玉である経済機構の改革が端緒となっている。三井や三菱,住友などの資本独占である財閥を解体する過程で設置されたものである。戦後の経済制度・労働改革はGHQ政策の要点となるので,日本史受験者は復習しておいてほしい。

「韓国,来年から人口減に」

本日の東京新聞夕刊より
地理Aでは韓国の地誌で人口問題について扱いました。また,地理Bでは人口のところで,つぼ型の少産多死の人口ピラミッドを扱ったばかりです。
韓国はソウルに人口が一極集中しており,深刻な住宅不足や生活環境の悪化を招いているという点は授業中に触れました。また,そうした都市問題が人口減少に繋がるという点もノートに書いてありますので確認しておいてください。

記事にもありますが,昨年の韓国の合計特殊出生率は0.98で,日本の数字をはるかに下回ります。保育園の拡充や幼児の医療費無償化を進めたものの,少子化に歯止めが掛かっていないという指摘は,日本も参考にしたいところである。首位都市の住環境の悪化が人口減少をもたらすという点については,地理Bの授業で考察を深めていきたい。

「親EU派 初の半数割れへ」

本日の東京新聞夕刊一面に,欧州議会の選挙で,欧州連合そのものに懐疑的な勢力が半数を超えたとの記事が掲載されていた。
第2次大戦の反省を活かし,難民に寛容であった欧州であるが,中東を中心としたイスラム教徒やクルド人の難民の受け入れを巡って欧州各国に亀裂をもたらしている。また欧州域内の人・物・金の自由化が,欧州内のいざこざに終止してしまい,米国や中国の貿易圏の拡大に為す術をなくしてしまっている。政治的にも経済的にも軋みが生じている欧州が今後,世界に対し,どれほどのスケールメリットを示せるだろうか。

「衛星で風予測 燃費◎飛行」

本日の中間考査で恒常風の一つである偏西風について出題しました。
亜熱帯高圧帯から亜寒帯低圧帯に向かって吹き出した風が,地球の自転の影響で西風になるというものです。
詳細は物理の範囲であるコリオリの力に関係するところなので,その理屈までは踏み込みませんが,東西を移動する航空機の飛行時間に大いに関係してくるところになります。

ちょうど本日の東京新聞夕刊一面に,その偏西風の流れを衛星から捉え,航空機の飛行ルートに活用しようという内容の記事が掲載されていました。
記事によると,ANAとJAXAが共同で,レーザー光を大気中に発射し,微小粒子の動きを測定して風向や風速を観測し,その観測データから効率的な飛行ルートを構築するシステムを開発しているとのこと。

40代の私はつい,昭和を代表するアニメ「初代・機動戦士ガンダム」に登場した「ミノフスキー粒子」を想像してしまうのですが,これだけ衛星観測技術が進展した現在においては,微小粒子はすでにSFのアイテムではない。
ここ数年,航空機にまつわる事故や事件が増えており,安全な飛行のためにも,観測データの活用が望まれる。

「英ボストン―移民との共存を模索」

本日の東京新聞夕刊に英国のボストンに関するコラムが掲載されていた。
人口の30%を移民が占める英国の小さな街だが,欧州連合(EU)離脱が英国最多の76%に達したとのこと。

寛容を理念にしてきたEU加盟国で,難民排除を掲げる政治家や政党が引きも切らない。
日本も決して対岸の火事ではない。移民や難民との政治的・経済的・社会的・文化的な共存のあり方が問われている。