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本日の東京新聞夕刊から

本日の東京新聞夕刊の文化欄に精神科医の野田正彰氏へのインタビューが掲載されていた。
第二次世界大戦中、日本がアジアの人々を虐げた事実を告発し、今なお被害に苦しむ人の叫びをとりあげた近著『虜囚の記憶』(みすず書房)についてのやりとりである。
著書の中に次のような記載がある。

侵略戦争についての無反省だけでなく、戦後の六十数年間の無反省、無責任、無教育、歴史の作話に対しても、私たちは振り返らねばならない。戦後世代は、先の日本人が苦しめた人びとの今日に続く不幸を知ろうとしなかったことにおいて、戦後責任がある。

そして、著者は記者の問いに次のように答える。

日本の社会全体が、過去を見つめるというのがどういうことか分かっていないですね。個人のことに置き換えれば、自分がなぜ失敗したのかを考えることは大事だとみんなが言います。でもそれが社会のことになるとなぜ”否認”の方が価値があるのか。

そして、野田氏は読者に次のようなメッセージを伝えている。

社会というのは広い意味で文化を継承していますから、文化を変えていくにはよほどの努力をしないといけない。自分の生きている社会が行ってきたこと、しかもそれを反省せずにいるのに連綿とつながって、自分もまたその中で教育を受けて生きている。それに気付かない限り、平和の 問題を自覚するのは難しいというのが、私の経験に基づく一定の結論です。

『しんぼる』

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松本人志主演・監督映画『しんぼる』(2009 松竹)を観に行った。
「不条理でシュールな発想に、これまで押したことのない脳ミソのツボを刺激されているうちに、壮大なスケールの世界観へと上り詰めていく」という宣伝の文章にある通り、観客の解釈を受け付けない意味不明な世界が画面いっぱいに展開される。
前半は村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』のような二つのパラレルワールドの話が進むが、後半は世界を操る神に近づこうとする男を象徴的に描く。お笑いと純文学を組み合わせた新しい映画で、次回作も期待したい。

本日の東京新聞夕刊より

本日の東京新聞夕刊の一面トップに、自民、民主の二大政党対決が最大の焦点となっている今度の衆院選で、憲法9条の改正に反対してきた護憲派の政党が消えてしまうという有権者の悩みについての記事が掲載されていた。
その記事の中で、司法試験塾塾長の伊藤真さんの話が目を引いた。正論ではあるが、果たして伊藤氏の述べるように、社民党が政権内与党として確たる地位を発揮できるだろうか。自社さ連立政権の同じ轍を踏まないよう期待したい。

民主党には先制攻撃論を唱える議員もおり、投票しても大丈夫か不安に感じている護憲派は多い。二大政党制になって社民党が消えてしまわないかと(投票に)迷っている人もいる。そうした人には、仮に民主党政権になっても社民党が重要なポジションにつき、政権の中で役割を果たすことが大事だと話している。民主党の改憲派に、社民党が歯止めを掛けていくのが現実的だと思う。

本日の東京新聞夕刊から

本日の東京新聞の夕刊に大変目を引く記事が掲載されていた。以下全文転載してみたい。

【ニューヨーク=阿部伸哉】
広島、長崎への原爆投下の日に合わせ、八月三日から九日まで来日する国連総会のデスコト議長(ニカラグア)は三十日、国連本部で記者会見し核兵器廃絶を願うメッセージとして「キリスト教社会を代表して(原爆投下への)許しを請いたい」と述べた。
カトリック聖職者のデスコト議長は、広島に原爆を投下したパイロットがキリスト教徒だったことに触れ「彼は命令に従っただけだが良心には従えなかった」と残念がった。
米国とロシアの間で核兵器削減交渉が進んでいることを挙げ「今こそ核全廃に向け世界全体が動き出す時」と強調。広島、長崎の式典については「過去の悲劇を乗り越え、人類が団結する必要性を訴えたい」と話した。

「外国人学校支援法」の法案提出

本日の東京新聞朝刊に、今国会での「外国人学校支援法」の法案提出が大詰めを迎えているという記事が載っていた。

この法案は、公的助成を可能にするため、ブラジル人学校など無認可の外国人学校を各種学校に設定するという内容だ。自民・公明両党の議員連盟が中心となってまとめられており、当事者たちの間でも「日本で外国人学校を正規の学校として位置付けよう」という動きも活発化してきている。
法案では、各種学校の認可基準を大幅に緩和し、外国人学校を各種学校として認可し、公的助成を可能とするものである。外国人労働者の子どもたちが増えてきている日本の現状を鑑みるに遅すぎるぐらいの対応である。しかし、公金や公財産は「公の支配」にない事業に支出できないと定めた憲法89条に抵触するおそれがあり、法案成立は一筋縄ではいかない。

国会の議員連盟とは別に、当事者の学校関係者や保護者らが考えた新たな外国人学校支援制度の概要が都内で開かれたシンポジウムで発表された。その内容は、教育基本法に外国籍の子どもの教育を受ける権利と、その権利を国や自治体が保障する義務を明記。さらに、①学校教育法上に「外国人学校」のカテゴリーを加えて正規の学校扱いにする②「外国人学校振興法」を制定し、外国人学校の認可校には助成金や受験資格、寄付金税制などで日本の学校と同じ扱いにするとしている。

与党議員は学校教育法一条校として認可はせず、あくまで各種学校として認可し助成を試みるものである。これでも現状よりは大きな前進である。しかし、認可されても助成金は公立校の十分の一程度にしかならない。しかし、シンポジウムでの「外国人学校」の整備では、日本人のための学校とは別の学校の設立を目指すというものであり、新たな排除構造が生まれる可能性が危惧される。

与党の議員連盟の法案に寄付金税制や助成金を大幅に上乗せした形で修正を迫る一方で、公立学校での外国人の制度的、経済的な大胆な支援策が求められる。