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「豪でLNG生産開始」

昨日まで読めなかった新聞をまとめて読み返している。
7月30日土曜日の夕刊に、国際石油開帝石がオーストラリア北西部で液化天然ガス(LNG)の生産を開始したとの記事が掲載されていた。海外の天然ガス開発で、日本企業が初めて開発全体の指揮を務め、年間約900万トンの生産量のうち約7割が日本向けで、関西電力や東京ガス、大阪ガスなどに供給が予定されている。
オーストラリアは日本にとって最大のLNG輸入元で、複数の大型プロジェクトが相次いで始まっている。オーストラリア政府は、2020年までに輸出量が7,700万トンまで増えると予想している。

再生可能エネルギーだけで電力を賄うことが可能になる2030年くらいまでは、比較的エネルギー効率の高い液化天然ガスに頼るというのが得策だ。政治動向に左右されやすいロシアよりもオーストラリアに頼るというのも良いと思う。記事には出ていなかったが、サンゴ礁を傷つけることがないような配慮が求められる。

国際石油開発帝石(INPEX)
日本最大手の石油・天然ガス開発会社。2006年4月、国際石油開発と帝国石油が経営統合し、共同持ち株会社「国際石油開発帝石ホールディングス」が発足。両社と共同持ち株会社が合併して08年に国際石油開発帝石が発足した。東証1部上場で、筆頭株主は経済産業相。アブダビ沖などに原油の開発権益を持つ。(共同)

「強権フン・セン与党 中国が後ろ盾」

本日の東京新聞朝刊に、東南アジアで通商・安全保障上の戦略的要衝に位置するカンボジアの総選挙の模様が報じられていた。
記事によると、最大野党を解党に追い込んだり、マスコミに圧力をかけたりするフン・セン首相率いる与党「人民党」の圧勝が確実な情勢とのこと。フン・セン氏はもともと中国の援助のもと、1970年代に推定170万人の命を奪ったポル・ポト政権の軍司令官を務めた人物であり、1993年の民主化以降も、政権の座に居座り続けている。
「一帯一路」経済圏構想を進める習近平政権にとって、海に抜けるカンボジアは戦略的に重要で、投資や援助を惜しまない。また軍事面でも関係を深め、南シナ海で問題では中国寄りの立場を示し、16年には初の合同軍事演習も行っている。ウィキペディアによると、解党に追い込まれた最大野党の「救国党」に対して中国のサイバー攻撃がなされているそうだ。

旧ソ連でワルシャワ条約機構に加盟していた衛星国家や、南米における米国と結託した軍事政権を思い出させるような話である。今どきこんな時代錯誤な政治体制があったのかとびっくりである。先日、紅海の入り口のマンダブ海峡に面したアフリカ・ジブチ共和国に中国が基地を建設したとの報道もあったが、いよいよ「一帯一路」戦略が、構想段階を終えて、経済・軍事の両面で中央アジア、東南アジア、南アジア、中東、アフリカを制圧下に置こうとする中国の動きが表立ってきた。大変地域が広いだけに、細かい記事に注目していきたい。

「再生エネで地域復興を」

本日の東京新聞朝刊に、太陽光を中心に小水力や風力発電にも取り組む会津電力の佐藤弥右衛門社長のインタビュー記事が掲載されていた。佐藤氏は次のように語る。

 日本人は事故の影響の大きさを身をもって知ったのだから「原発ゼロ」が政策の出発点のはずです。実際、原発が全て止まっても深刻な停電は起きていません。大手電力が苦しくなるから原発を稼働するというのは本末転倒です。

さらに、再生エネルギーのありかたについて次のように語る。

 再生エネを盛り上げることで地方を自立させるという視点が忘れられています。これまで地方の原発や巨大なダムを使い、大規模集中型で発電した電気が都会に送られてきました。福島県はその典型です。豊かな自然が搾取される代わりに補助金が配られる植民地型構造で、地方の中央頼み体質も助長しています。

太陽光などの再生エネルギーは地元の発電会社や家庭でも発電でき、地域ごとに電気を自給自足する小規模分散型。自然の恵みは地域に還元され、雇用も生んで復興や自立を促します。会津電力も5年で発電所が77カ所の増え、従業員も若い人を中心に約20人に増えました。

「大規模集中型」は1カ所の発電所が事故を起こすと停電の影響が広域に及美ます。「小規模分散型」は地域内の無数の小さな発電基地が送電線で結ばれ、電気を融通し合う仕組みなので、1カ所が事故を起こしても全域での停電はありません。ドイツなどでは送電ネットワーク技術の進展でこれが実現しています。日本では大手電力保護が優先され、世界で当たり前のことをやろうとしません。

佐藤氏の「本末転倒」という言葉が印象に残る。ここ数年のエネルギー政策はまさに「本末転倒」である。コストのかかるリスクの大きい原発を優先し、コストもリスクも小さい再生エネルギーは普及させまいとあの手この手で妨害にかかる日本政府のあり方そのものを表している。

急増「コンビニ外国人」

本日の東京新聞朝刊の記事より
コンビニで働く外国人はここ数年急増し、大手三社で4万人以上となった。既に身近な存在だが、本年はなかなか紹介されない。どんな生活をし、なぜこんなに多いのか。

・以前は中国系が多かったが、東日本大震災後、日本語ブームのベトナムやネパールの出身者が増えている。
・最近はスリランカ、ウズベキスタン、ミャンマーの人も多い。
・彼らの大半は留学生で、週28時間までアルバイトが認められている。
・日本は「勉強しながら働ける珍しい国」である。
・人手不足のコンビニ業界のニーズと日本語を実践で学ぶことができる留学生の思惑が一致した。
・日本政府も「留学生30万人計画」を掲げ、受け入れに積極的だ。ファーストフードや居酒屋を含む留学生バイトは昨年は約26万人となり、13年の2.5倍に増えた。日本語学校は過去5年で200校も増え、680校もある。

・日本語学校の授業料や渡航費は現地の平均年収の数十倍になることもあり、多くの留学生が借金を背負っている。
・中には強制送還覚悟で週28時間を超えて働く人や、バイト先のあっせんで摘発される日本語学校もある。
・日本は「移民」を認めていないが、外国人労働者は5年連続で過去最多を更新し、昨年は約128万人になった。
・最近は「外国人技能実習制度」の対象に「コンビニの運営業務」を加えようとする動きもある。

フリーライターの芹澤健介氏は「移民に賛成か反対かという議論を超えて、私たちの生活は外国人の労働力に依存している。実際に隣で働き、生活している人たちと、いかに共生していくかを考えるステージに入っている」と話す。

「末端に責任転嫁 『下剋上』に通じる抵抗」

本日の東京新聞夕刊にノンフィクション作家保坂正康氏のコラムが掲載されていた。このところ加計学園の獣医学部新設や自衛隊中堅幹部の暴言、財務省の森友学園との交渉記録の意図的廃棄、防衛省のイラク日報隠ぺいなど、虚言、ごまかし、言い逃れ、責任転嫁の事件がメディアを賑わせている。これらの事件に共通する構図として、保坂氏は次のように述べる。

 この構図は二つの特徴を持っていることが容易に分かるだろう。
一つは、責任は「より下位の者に押しつけられる」である。もう一つは自衛隊中堅幹部の件のように「言った」「言わない」に持ち込み、うやむやにしてしまおうとの計算である。私たちは、誰の言を信用するのか、という基本的な次元に追い込まれているということである。
保坂氏の「基本的な次元」という言葉が印象に残った。ここ数年の国会中継を見ても、論点をすり替え、誤魔化し、信用の有無という低次元のレベルでしか政治を見ることができなくなってしまっている。

保坂氏はさらに次のように続ける。

 この二つの特徴を最もよく重ね合わせることができるのは、太平洋戦争後に、連合国によって裁かれた日本人将校、下士官、兵士のBC級戦犯裁判である。
日本軍将兵の非人道的行為は、米国、英国、オランダ、フランス、ソ連、中国など各国の法廷で裁かれた。実際に手を染めた兵士は、上官の命令によって捕虜を処刑している。しかし、裁判で上官は「殺害しろ」とは言っていない、「始末しろ」とは言ったけれど、と強弁し、兵士たちが死刑を受けたケースも少なくない。(中略)
BC級戦犯裁判の残された記録は、末端の兵士に責任が押しつけられていくケースが多いと語っている。この構図は、「言った」「言わない」や「会った」「会っていない」の社会事象と全く同じなのである。

最後に保坂氏は次のようにまとめる。

 いま、私たちは歴史が繰り返されているとの緊張感を持たなければならないだろう。いや「歴史の教訓」が生かされていないことへの怒りと、私たち一人一人の運命が、こんな構図の中で操られていくことを透視する力を持たなければならないはずだ。時代はまさに正念場なのである。