漫画」カテゴリーアーカイブ

『空手バカ一代』

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梶原一騎原作、つのだじろう漫画『空手バカ一代』(講談社漫画文庫 1999)第1巻から4巻までを読む。
1970年代に週刊少年マガジンで連載され、スポ根ブームの代名詞とも言える作品である。
敗戦直後の池袋の街頭で佇む大山倍達が、数々の喧嘩や山籠りを経て、牛や馬と対決し、さらには、力道山やグレート東郷、遠藤幸吉などと全米各地をプロレス興行で回るまでの波乱万丈な数年間が描かれている。もちろん漫画ゆえの作り物なのだが、小さい日本人がお大きい米国人をバッタバッタと倒していく胸をすくような爽快感を味わうことができた。

主人公のマス大山がクマと対決するために柔道を学ぶシーンがあるのだが、その時の彼の台詞が印象に残った。
スポーツや武道の世界では「初心に返る」ことの大切さが重んじられるが、フィクションとは言え、日本一を極めてからも虚心坦懐に道を教わろうとする姿勢は素晴らしい。
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『マンガ 聖書物語〈新約編〉』

樋口雅一『マンガ 聖書物語〈新約編〉』(講談社+α文庫 1998)を読む。
イエス・キリストの誕生から、十字架の磔刑までと、復活してからの使徒の活躍、パウロのローマ到達までが一冊のマンガ文庫に収められている。
パウロの伝道の旅を地図で確認しながら読んだ。イスラエルやシリア、ギリシャ国内は当時の地名の名残が残っているが、トルコ国内では全く別の地名となっており、伝道の道筋を辿るのに少し戸惑った。

私の知識だと、キリスト教とローマ帝国は水と油であり、ローマ帝国はキリスト教の拡大を徹底して迫害したというイメージが強かった。キリスト教はローマ帝国の執拗な弾圧から逃れながら、庶民に浸透していった宗教であり、その点から、勝手に小林多喜二の『党生活者』のような、コミンテルン時代の共産主義と似たイメージを持っていた。しかし、イエス・キリストや使徒たちの裁判の様子を読んでいるうちに、キリスト教は時の政府を打倒することのみを目的としておらず、当時、ギリシャや西アジア、北アフリカ全域を支配していたローマ帝国の威光を背景にして伸張していったことが分かった。パウロ自身もローマ市民権を武器にして鞭打ちに刑の不当性を訴えている。
また、キリスト教は、誕生当時から外国人への伝道についての議論があり、生まれながらにして国際性を持っていたということが理解できた。

『宇宙兄弟』

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秋口より、職場の近くの焼きそば屋に何回か通い、小山宙哉『宇宙兄弟』(講談社)を1巻から10巻まで読んだ。
継続性のない自分にとって2ヶ月くらいかけて10巻まで読むというのは珍しい。それだけ作品に40歳のおやじを引きつけるだけの魅力があるのだ。日本で初の月面着陸を果たした宇宙パイロット難波日々人を弟にもつ南波六太が、厳しい選考試験を経て同じ宇宙パイロットを目指す物語である。10巻までで兄六太はNASAでの訓練の真っ最中で、弟日々人は月で命からがらのプロジェクトに従事している。
決して若くもなくエリートでもない六太が宇宙を目指すというシンデレラストーリーなのだが、心理描写や回想シーンが巧みに用いられ、読めば読むほどキャラクターへの思いが募ってくる。
大盛り焼きそばを食べ続け、何とか22巻まで読破してみたい。

漫画三昧

ここ数日で手塚治虫『ブラックジャック』(秋田書店 1988)の9巻、10巻と、同じ手塚治虫『ブッダ:第3巻ダイバダッタ』(潮出版 1987)を読んだ。
あまり漫画は読まないのだが、忙しい生活の中で、手塚治虫ワールドにしばし迷い込むことができた。