投稿者「heavysnow」のアーカイブ

『ヒマワリはなぜ東を向くのか』

瀧本敦『ヒマワリはなぜ東を向くのか』(中公新書,1986)をパラパラと読む。
「雨後のタケノコ」という諺があるように、マダケのタケノコで1日に121センチメートル、モウソウチクのタケノコで1日に119センチメートルも伸長した例があるという。特に昼間の伸長は速く、1時間に8〜10センチメートルも伸びることがあるそうだ。本書ではヒマワリの研究を紹介しながら、植物が生きているということが繰り返し語られる。

『超異常気象』

根本順吉『超異常気象:30年の記録から』(中公新書,1994)をパラパラと読む。
著者は戦時中海軍軍属として航空気象業務に従事し、戦後気象庁で長期予報を担当されている。

『子どもの脳が危ない』

福島章『子どもの脳が危ない』(PHP新書,2000)を読む。
著者は東京大学医学部の博士課程を修了し、病跡学の権威として知られ、犯罪者の脳を研究し、犯罪行為と脳の疾患の関係性を研究している。そしていたずらに犯罪と社会病理を結ぶ付けようとする風潮について次のように述べている。

(神戸小学生連続殺傷事件のような)重大で衝撃的な事件が起こると、マスメディアはよく「前代未聞の犯罪」という言葉を使い、「最近の少年犯罪は凶悪化した。昔とは違って、今の少年少女は何をするかわからない。この中学生は、その種のキレる少年の典型だ」というような論評がいっせいにあらわれる。
さらに必ず、社会的な意味での《犯人探し》が始まる。すなわち、このような事件が起こる背景としては、社会が悪い、親のしつけがなっていない、地域の絆が弱くなった、学校や教育が危機的な状況にある、といった指摘がなされ、関心と注目は、事件そのものからしだいに、その背景へと拡散してゆく。
しかし、私は神戸事件の詳細を聞くにしたがって、この異常な事件はけっしてふつうの少年によって起こされたものではなく、特異な資質をもった特異な少年による特異な事件であろうという確信を深めた。

そして、著者はそうした脳の異常を抱えた人たちに対して次のように述べる。

脳に異常のある人の場合には、ストレスに対する耐性が有意に高い確率で低かったり、感情が不安定だったり、適応能力が低かったりすることも事実であるから、そのような「症状」がある場合には科学的に妥当と考えられる合理的な援助や治療を行うことが必要であり親切でもある。

最後に、犯罪につながるような脳の疾患を抑えるために、環境ホルモンやダイオキシンへの注意や暴力的なテレビ番組への規制といった対策を提案している。

『進化とはなんだろうか』

長谷川眞理子『進化とはなんだろうか』(岩波ジュニア新書,1999)を半分ほど読む。
私の一番嫌いな動物の行動生態学に関する内容である。

冒頭から筆者は、生物の進化がダーウィンやラマルクの進化論のように昔の人が考えた世界観ではなく、現代生物学を統合する理論だと断じる。遺伝や自然淘汰、適応、最適化、ゲーム理論など生物学には様々な分野があるが、そうした進化生物学は最先端で流動的あり、中高の教科書にはあまり載っていないが、生物学の全ての分野を統合し、生命の意味について答えを出すことで、私たち自身や生命一般に対する見方も変わってくると結論付ける。

『先端医療革命』

米本昌平『先端医療革命:その技術・思想・制度』(中公新書,1988)を少しだけ読む。
80年代後半に話題になっていた脳死、臓器移植、人工臓器、体外受精、出生前診断、中絶と胎児、遺伝子治療といった先端医療と倫理を巡る問題について考察している。

ほとんど読んでいないが、ガン、心疾患、脳疾患が三大死因を占める国は間違いなく先進国であるという指摘は興味深かった。栄養不足や感染症が克服され、医学の課題の中心が急性疾患から成人病や遺伝病、先天異常といった慢性疾患へ移行した社会の証である。一方で、アフリカ地域の死亡原因は1位から、HIV/エイズ、下気道感染症、下痢性疾患、マラリア、脳卒中、早産による合併症と続き、多くの死因が感染症となっている。

医学の課題が急性疾患の時は生命倫理などは無縁である。病気から生命を守ることに対して議論はない。しかし、医学がより良く長く生きるための学問となってからは、患者の権利や宗教、文化、人生観が関わるようになり、根本から変わらざるを得なくなる。本書ではそうした医療思想革命が論じられているらしい。