投稿者「heavysnow」のアーカイブ

『オウムからの帰還』

高橋英利『オウムからの帰還』(草思社,1996)を読む。
最初はさらっと読み流すつもりであったが、最後までじっくりと読んだ。サリン事件の後にオウム真理教から脱退した著者が、自身がオウム真理教に入信し、やがて出家し、過酷なイニシエーションに耐えながら占星術のプログラミングの修行に邁進する前半と、サリン事件の強制捜査以降、オウム真理教に疑問を抱いて脱退し、テレビ番組で上祐史浩氏との対談中に、直属の上司であった村井秀夫氏の刺殺事件の一報が報じられる後半がテンポよく描かれる。重っ苦しい手記を読んでいるというよりも、SF小説を読んでいるような軽快感を感じた。

また、読みながら、1995年という激動の年に思いを馳せた。自分自身が深夜に上九一色村にドライブに出かけたことや、一方でオウム真理教に対する破壊活動防止法適用に反対するデモに参加したことなどを思い出した。

『深夜草紙』

五木寛之『深夜草紙 Part.3』(朝日新聞社,1978)を読む。
高校生の頃の読んだことのある気がするが、シリーズものなので勘違いかもしれない。1977年から78年にかけて週刊朝日に連載されたエッセーがまとめられたものである。
自民党の総裁選に関するニュースがテレビやネットで喧しいためか、次の一節が気になった。

異国へ出た日本人の同胞の大半が、どこかでそんな感慨(水と安全はタダで手に入ると思い込んでいる日本人は楽なところに生きている)を抱いて帰ってくるのではないか、と思った。そしてその実感が、〈ニッポン良い国〉から、〈日の丸最高〉の感情へエスカレートしてゆく心理の道筋がわかるような気がした。
良い国だから守らなければならない、守るためには戸締りが必要である、という例の発想だ。

『英語発音に強くなる』

竹林滋『英語発音に強くなる』(岩波ジュニア新書,1991)の「はじめに」の項と「おわりに」の項だけ読む。
著者は『ライトハウス英和辞典』の編集を担当する音声学の研究者である。辞書的に母音、子音だけでなく、その組み合わせによる発音の変化などが細かく説明されている。動画であればもっと分かりやすいのだが、致し方ない。リスニングのコツとしてNHKの基礎講座を聞くとか、欧米人が吹き込んだテープを毎日聞くなど、30年前の時代を感じる内容であった。

『まったくわからない人のためのネットの常識』

高作義明、田中眞由美、諏訪真理子『まったくわからない人のためのネットの常識』(新星出版社,2013)を読む。
IPアドレスなどの難しい話はさらっと流して、スマホの便利な点や便利なネットサービスなど、本当にネットを触ったばかりの初心者向けの内容となっている。内容も多彩で、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツ、孫正義の生い立ちから事業の成功までの半生がさらっと挿入されているなどの工夫があり、飽きることなく読み終えることができた。編集のうまさが光る本であった。

会議と講演会

日教組本部主催の会議と講演会に参加した。
公教育を巡る動きについて理解できた。
講演会は泉南市での子どもの人権教育の実践報告であった。
講演をよりも泉南市の方が気になって調べてみた。泉南市には天理教から分かれた「ほんみち」という宗教の本部があり、高校進学率が極めて低いというデータが気になった。