大竹まこと、宮崎哲弥『これがマコトの「日本の大論点」』(講談社 2001)を読む。
「大論点」と名打ってはいるが、親父、子ども、女性、収入など身近な事柄を斜に構えて論じている。家族が一つのメルクとなっているのだが、次の宮崎哲弥氏の発言が、そうした家族にまつわるぎくしゃくした関係の分析として的を得ている。
夫婦というのは、本来赤の他人だった女と男が深くて暗い河を越えて、「家族になる」努力をするわけでしょ。これは、人間の共生関係を築くための基本的修練の場としてちょうどいいんですよね。それを子どもを媒介とした骨肉の縁、血縁に逃げてしまうから、この国はいつまでも他人同士が一緒に生きていくような、ちゃんとした「社会」にならないのだと思う。そういう理念はともかく実際的にも、夫婦がいい関係を築けていない家は子育てもうまくいってない場合が多いんですよね。