「希望降任制度」

本日の東京新聞夕刊の一面に、全国の公立小中高などの校長や教頭が自主的に一般教員などに「降格」となる「希望降任制度」を2006年度に利用したのは調査開始(2000年度)以来最多の84人に上ったとの記事が載っていた。
記事内容によると、特に教頭や主幹教員から一般教員への降任が大半を占める。学校は通常管理職の校長・教頭以外はベテラン教員も新人教員も同じ階級の「鍋ぶた型」組織であり、特に教頭に学校運営の管理業務が集中し、ストレスから心身の健康を崩す事例が多いのではということだ。

確かに、教頭職は不必要な書類作成や校舎管理などに忙殺される学校運営だけでなく、我が子中心主義の親や、年齢だけ大人のお子ちゃま教員に直接対応することが多く、その激務ぶりは傍から見ても同情ものである。文科省では学校教育法で「主幹教諭」の設置を規定し、管理職の業務を分担する方向を打ち出しているが、思ったほどの効果は期待できないであろう。学級経営も同じであるが、一部の人間のわがままで職場が振り回されていては運営が成り立たない。児童生徒や学校、教育そのものにそっぽを向いてる「不適格教員」を排除していくような弾力的な人事管理が求められるであろう。

その際、甘かろうが厳しかろうが、また一人一人を大事にするやり方であれ、全体の和を重んじるやり方であれ、右であれ左であれ、権威主義的であれ、平等主義的であれ、ベクトルは様々あれど、あくまで生徒の方向を向いている教員を大切にしたい。生徒や教育に向き合えば向き合うほど悩みはつきないし、教員としての資質そのものを反省する時もある。そうした気持ちのぶれはお互いに共有し、支え合う職場環境がまず求められる。現在行われている教育委員会の恣意的な人事評価や「不適格」認定ではなく、教員の「熱意?」(うまく表現できないが)を慮ってもらいたいものである。日常的に感じることなのでついついキーボード叩く指に力が入ってしまった。画面上ではこのアナログ的な力入りが表現されることはないが……。

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