『水滸伝:(中)』『同:(下)』

施耐庵著・松枝茂夫訳『水滸伝(中)』『同(下)』(岩波少年文庫 1960)を読む。
上巻を読みはじめてから3週間近く経っており、最初の頃の話はすっかり忘れてしまい、次から次へと登場してくる人物を頭の中で整理するだけで一苦労であった。後半からねずみ算的に仲間が増えていき、やれ妖術士や天からの雷、ドラゴンだの様々登場してきて、RPGの『ドラゴンクエスト』のようなファンタジー的な雰囲気が漂ってくる。そして、最後は梁山泊に集う108人の義士による総力戦で幕は閉じていく。
中盤では、それまで政府軍として梁山泊の悪党退治に馳せ参じていた武将が、恩義を感じて同志の盟を結び梁山泊の義士の一員となり、また新たに戦争に旅立っていくシーンが繰り返される。早稲田大学の校歌の「集まり散じて人は変われど、仰ぐは同じき理想の光」という一節がふと混乱している頭の中の片隅を駆け抜けていった。
原本がそうなのか、中学生向けの抄訳のためか最後は駆け足で話が進んでいってしまう。現在作家北方謙三氏も『水滸伝』を書いているそうだが、いつかじっくりと読み返してみたい作品である。

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