相模女子大学のパンフレットを読む。
1900年に東京の本郷に設立された日本女学校を母体とし、1909年に帝国女子専門学校となり、1946年に神奈川県の相模原市に移転されて現在に至る。あまり名前が知られていないが、110年の伝統がある女子大学である。
現在では日本語日本文学科、英語文化コミュニケーション学科、子ども教育学科、メディア情報学科からなる学芸学部、社会マネジメント学科と人間心理学科か らなる人間社会学部、そして健康栄養学科と管理栄養学科からなる栄養科学部と短期大学部で構成される。しかし、パンフレットを読んでも全くその魅力が伝 わってこない。昨年大きく学部改組を行なったようだが、とりあえず国文、英文、子ども、心理、栄養など女子大学的な学科を並べただけであり、カリキュラム にも工夫がない。大学院まで整備された管理栄養学科以外はどれもテキトーな御為ごかしといった印象を拭えない。
学長のコメントにこの大学の質が良く表れていると思う。
大学への進学に臨んで、共学の学校を志望する人は少なくありません。男女が同じ教室で一緒に学ぶのは、ある意味では楽し く、女子大から共学へ移行した大学は、近年いくつもありますが、本学が女子大学の旗を下ろすこと今後もないでしょう。それは、本学が時流に乗ろうとしない で、頑固を通そうとするからではありません。共学ですと、女子はともすれば男子学生に頼りがちになるところ、女子大では、すべてを、当然のことながら女子 の手でこなさなければなりません。そのことが女子の主体性、そしてリーダーシップを養い、社会に出て厳しい環境のなかに置かれても、それによく適応できる 女性を育てます。女性の強いアメリカで、伝統のある女子大学の人気が、今日においてむしろ高いのは、十分に理由のあることです。女子大に入学するのは、 けっして消極的な選択ではなく、またそうであってはなりません
多摩地区は大学激戦区なので、女子大学という看板を下ろすと商売にならないという経営判断は正しい。しかし上記のコメントは生活全般がメインとなる女子高校では成立するが、さすがに大学の場では万人の共感は得られないであろう。