高橋祥友『英語力を身につける』(講談社現代新書 2001)をパラパラと読む。
英語学習の新書というと、「これだけ覚えれば…」「英語脳を…」「楽して話せる…」「習うよりも慣れろ」など、中学高校の長時間にわたる学習を否定するような内容が多い。しかし、この本の著者は精神科医で英語の専門家ではない。そのため、日本国内で集中的に努力し、繰り返し学習することの大切さを解く。英語学習の本だが、英文の実際の解釈はなく、ラジオ講座や英会話教室の使い方、さまざまなリスニング教材の紹介、速読のテクニック、英文ライティングなど、筆者自らが実践しているノウハウが惜しみなく披露されている。
ある英会話学校が行った調査があります。日本の4年制大学を卒業した人が英語で仕事をするために必要最小限のコミュニケーション能力を身につけるためには約2000時間かかるという結果でした。私の経験を振り返っても、これは妥当な時間数だと思います。さて、これは毎日2時間英語を勉強したとすると、約3年かかります。しかし、たとえば、同じ合計2000時間であっても、毎日6時間かけて約1年でその時間数を達成するほうが明らかに効果が上がると思います。それくらい徹底的に学習に集中すべきなのです。