「公立校は『狭き門』」

本日の埼玉新聞朝刊に「公立校は『狭き門』」と題した記事が一面に大きく掲載されていた。今月4日にさいたま市で開かれた「日本語を母語としない子どもと保護者の高校進学ガイダンス」(県国際交流協会など主催)の模様が報じられていた。

写真に私の姿も写っているかと目を皿のようにして探したが、どうもタイミング悪く写っていないようだ。

記事によると、今年3月の県内中学生の高校進学率は98.6%に達する一方で、日本の高校への進学を強く希望しながら、言葉の壁や入試制度に戸惑ったり、学費などの面で躊躇する外国出身の生徒もかなりの数がいるとのこと。ガイダンスはそうした生徒の相談に対して県と民間団体が一体となってサポートしている事業である。当日は中国、フィリピン、ペルー、フラジル、パキスタンなどから来日し、埼玉県内で生活する約200人が参加し、県高校教育指導課の担当者の説明や通訳付きの個別相談で熱心に話を聞いている。

〈記事から引用〉県教育局は1996年度入試から県立高校に「外国人特別選抜」を設けている。2010年度から現行の数学、英語の学力検査と面接で選考。13年度は12年度と同様に岩槻、草加南、南稜、深谷第一、和光国際、蕨の6校で実施される。定員は各校上限10人で、10年度は受検者47人に対し、合格者は15名人という「狭き門」となった。11年度は35人が受検し、15人が合格。12年度は28人が挑戦、合格したのは11人だった。

県教委は、ブラジルの貧困地域に12年度から14年度まで定期的に職員を派遣し、コンピュータ操作を教えたり、日本の絵本や人形劇などを題材にして表現力を養う支援活動を始めている。
しかし、問題は海の向こうではなく、埼玉県内で起きているのである。60人という入試枠がありながら、日本の生活やクラスに馴染みそうにない生徒を半分以上も落としているのが実状である。まずは足下の県立高校教員の異文化理解の態度や、「全体の奉仕者」という憲法に明記された公務員としての姿勢から正すべきであろう。

改めて教育基本法を持ち出すまでもない。地元埼玉において、言語の習得如何を問わず、全ての生徒が全日制普通科教育を受けるチャンスを平等に活用す入試制度のありようを問い直していきたい。

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