「辺野古 基地工事再開」

本日の東京新聞朝刊一面に、沖縄辺野古基地の工事再開が報じられていた。今年の2年生は沖縄への修学旅行が予定されているので、丁寧に解説してみたい。

沖縄は太平洋戦争で唯一地上戦の舞台となったところで、米軍が占領した日本の基地が、戦争が終了してもそのまま米軍の基地として残ることになった。皆さんも中学校の日本史で習ったと思いますが、沖縄はサンフランシスコ平和条約締結後も、米国の施政権下に置かれ続けました。1972年に本土復帰を果たしますが、0.6%しかない沖縄の地に日本国内の米軍基地の75%が集中する事態は変わらないままです。

ではなぜ、米軍は沖縄にこだわるのでしょうか。次の地図をみてください。

沖縄は、米国が最も警戒する中国や台湾、北朝鮮に睨みを効かせるのに絶好の場所にあります。グアムやフィリピン、韓国、本州各地の基地と連携しながら、中国全土にいつでも戦闘機(航続距離約5,000km)を飛ばせる距離に位置します。

沖縄には嘉手納基地と普天間基地の2つの米軍の空港があるが、普天間は住宅街に隣接しており、1996年に日本に返還すると日米両政府が合意しています。しかし、その移設先を巡って、日本政府と沖縄県の間で話し合いや裁判が繰り返されています。沖縄県は、県内に米軍基地があることがそもそもおかしいことであり、最低でも県外に移すべきだという考えです。一方、日本政府は日米安保条約や日米地位協定に基づき、米軍基地を日本側で整備すべきだという考えを崩していません。そこで沖縄県名護市の辺野古に移すと政府は一方的に決定し、強引に工事を進めています。

しかし、沖縄に米軍基地があることに、私は意味があるとは思えません。中国の脅威や東アジアの安定といった面を政府は強調しますが、米軍基地が沖縄県民の生存権を脅かしていることは明らかです。憲法9条だけでなく、憲法25条にも違反しています。憲法を逸脱する政治をゴリ押しする日本は、果たしてまともな法治国家と言えるでしょうか。