『地震・プレート・陸と海』

深尾良夫『地震・プレート・陸と海:地学入門』(岩波ジュニア新書 1985)を読み返す。
確か、数年前に読んで感銘を受けた本である。「個体地球科学」という観点から大陸や海を定義し、地球が動く仕組みについて分かりやすく解説している。地球表面を、地殻とマントルという旧来の分類ではなく、空気や海水によって冷やされた固まったリソスフェアと地球内部から湧き出した流動性のあるアセノスフェアに分け、浮力や摩擦、弾性といった高校の物理基礎の知識でも分かるように説明している。
特に、インド亜大陸がユーラシア大陸に衝突して形成されたヒマラヤ山脈の解説が興味をひいた。狭まる境界の仕組みからガンジス低地やチベット高原の形成過程が説明されている。
また、日を置いて読み返したいと思う本であった。