「人口流出2割 将来に影」

本日の東京新聞朝刊に、1989年の東欧革命から30年を迎えたルーマニアの現状が紹介されていた。
記事によると、チャウシェスク独裁政権が倒れた後も、共産主義時代の支配層が権力を握り続け、国内経済はずっと低飛空状態が続いているとのこと。1人あたりのGNIは9,970ドルで、EUで最下位のブルガリア(7,760ドル)に次いで低い。ちなみに同じ出典データで日本は同38,550ドルである。

EU域内では単一通貨ユーロやシェンゲン協定により、人や物、金の移動に制限がないため、域内で経済力の低い国から高い国への「移民」が止まらない。ルーマニアではここ30年で人口の2割が流出している。イギリスのブレグジットもそうした東欧や中東からの移民や難民に対する社会不安が根底にある。

記事の最後に「特に医師不足は深刻だ。持続性のある分野への投資を進めるなど、若者の流出を食い止める政策が必要だ」とあるが、日本の地方の過疎化と大変似通った課題が指摘されている。工業団地の誘致や田舎暮らしの宣伝、日本ではあまり評判が良く「ふるさと納税」など、日本の事例がEUでも役立つことがあるかもしれない。