本日の東京新聞朝刊に、全国のダムで大雨予想の3日前から放流し続ければ、雨を堰き止めるダムの容量が全体で2倍になるとの試算を政府がまとめたとの記事が掲載されていた。
記事では触れていなかったが、2年前の西日本豪雨で、愛媛県西予市の野村ダムが満水に近づき、肱川への緊急放流の直後に下流の同市野村地区の650戸が浸水し、5人が死亡するという「事件」が発生した。ダムを管轄する国土交通省は、「予測を上回る雨だった。規則に基づいて適切に運用した」と繰り返すだけで、急な放流による「人災」を否定した。
確かにダム行政は、治水ダムを管理する国土交通省だけでなく、利水ダムは農林水産省や経済産業省が押さえているし、それに気象庁や民間業者、さらに国と県と市町村の管轄が入り混じっていて、外からみても非常にややこしい。しかし、この程度の試算はデータさえあれば、小学生でも出来るものである。皆さんもそう思いませんか。記事を読んでいて、私は一人で憤慨してました。結局は縦割り行政の弊害で、そこで暮らす住民の安否が二の次にされてしまう事態が繰り返されている。
こうした災害によって露呈する政治の貧困についても、原発問題や震災被害と合わせて、3学期の授業の中で触れていきたいと思う。