『自分を変える読書術』

堀紘一『自分を変える読書術:学歴は学〈習〉歴で超えられる』(SB新書 2015)を読む。
経営コンサルタントで株式会社ドリームインキュベータ代表取締役会長を務める著者が、自身の華やかな経歴を披露しつつ、自分自身の読書論を語る。「細切れの時間を繋いで読書時間を作り出せ」だの「欧米に比べて日本人には教養がないので古典に親しめ」など、紋切り型の読書術であまり参考になるところはなかったが、表現力や感受性を高めるために小説を読めという言葉は印象に残った。

 読書ノートはぜひ書いたほうがいいと思う。(中略)読書ノートにとくに決まりはない。日付、読んだ本のタイトルと著者名を書いたら、その本を読んで自分が感じたこと、心に残った言葉や表現を好きなように書いていけばいい。2行で終わる本があってもいいし、10行くらい熱心に書く本があってもいいと思う。いずれにしても頭に留めるだけではなく、自分の言葉に置き換えてアウトプットすることが読書の深化につながる。それは時間をかけて教養となり、人間力を高める最大のトレーニングになるだろう。