本日の東京新聞朝刊に、ロシアのプーチン大統領が5日、北朝鮮の核実験にともなう制裁強化について「制裁はもう限界に達して効果がない。圧力をかけても北朝鮮の方針は変わらず数百万人の苦労が数倍増すだけだ」と否定的な考えを示したとの記事が掲載されていた。
プーチン氏は核実験自体は非難したが、米国の介入で独裁体制が崩壊したイラク、リビアなどを例に挙げ「北朝鮮は草を食べるようになっても、安心できるまで核開発は止めないだろう」「武力による威嚇は肯定的な結果をもたらさず、地球レベルの大惨事を生む」と対話堅持路線を求めた。
文面だけ読めば確かにプーチン大統領の発言は正論である。対米国戦略の一環での発言であろうが、「武力威嚇からは否定的な結果しか生まれない」という趣旨は正しい。
韓国・文在寅政権も経済制裁では北朝鮮の核・ミサイル開発を止めらないと、対話による解決に活路を見出している。
日本政府は無思考に米国に追従するだけであるが、文在寅政権に歩み寄り、韓国と共同歩調を取ることが求められる。日韓の連携の対話路線が、米国やロシア、中国がかき乱す東アジア秩序を支えることは間違いない。日米軍事演習、米韓軍事演習が先鋭化し、日韓の齟齬が目立つ情勢こそが一番の危険因子である。