「ロシア武器輸出を拡大」

本日の東京新聞朝刊に、ロシアが、北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるトルコへの最新鋭対空ミサイルシステム(S400)の輸出交渉を進めるなど、武器輸出先の拡大を図っているとの記事が掲載されていた。今月22日、モスクワ郊外で中国や北朝鮮、アフリカ諸国など15カ国の軍事関係者を前にロシアの兵器のデモンストレーションが行われたとのこと。

ロシアは米国に次ぐ世界第2位の武器輸出国であり、中国やインド、フィリピン、トルコなど、米国との関係が悪化している国に売り込みをかけている。特にトルコのエルドアン大統領やフィリピンのドゥテルテ大統領、エジプトのシシ大統領などは、ロシアとの前向きな関係強化を図っている。

日本も「防衛装備移転三原則」で、「(1)紛争当事国などに該当しない(2)我が国の安全保障に資すると判断できる(3)目的外使用や第三国移転をしないと相手国が約束した場合」に限って、武器を輸出したり、国際共同開発に参加したりすることが可能となり、既に弾道ミサイル防衛システムに使用されるミサイル追跡センサーなどを米国に販売している。

市場が拡大し競争が激化すれば、「防衛装備移転三原則」は容易に形骸化し、民間ベースで殺傷能力のある兵器が大量に、そして安価に世界中に流通することは間違いない。ネットで検索したところ、三菱、川崎、日立、東芝などがマレーシアやフィリピン、インドやオーストラリアなど、中国周辺の国を中心に武器輸出を始めている。冷戦時代ならいざ知らず、国同士の関係がグローバルに変化している中で、「防衛装備移転三原則」にある「日本の安全保障に資すると判断される」との文言がいかなる有用性を持ちうるのであろうか。

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