小松義夫写真・文『人と出会う場所 世界の市場』(アリス館 2016)を眺める。
東ティモールの首都ディリの市場やミャンマーの湖の上の市場、アルバニアの山の広場の動物市馬など、辺境の地にありながらもカラフルな商品と笑顔が集う市場の写真集である。
特に、ブルキナファソの国境近くのつぼ市場が興味深かった。売られているのは水を溜め込む壺である。普通の素焼きの弥生式土器のような壺なのだが、浸み出した気化熱によって、水を冷たいまま保存することができる優れものである。また内陸国家であるため、塩が重要な交易品となっている。
また、ペルーの山の上の花市場の女性の写真も目を引いた。標高が高く日差しが強いので、山高帽が欠かせないという。
また、北アフリカの西沖合いにカーボベルデという島国があることを初めて知った。コーラのマークの付いた椅子に座って外食を楽しんでいる写真だったので、比較的財政は豊かなのだろうと推測される。