『論文・レポートの文章作法』

古郡廷治『論文・レポートの文章作法』(有斐閣新書 1992)を読む。
小論文指導を担当することになったので、勉強のつもりで例文を一つひとつ精読していった。
経済学や情報技術に関する論文の文章を取り上げ、なぜ伝わらないのか、読みにくいのかと分析を加えた上で、正しい文章に添削するという形で論が進められる。
特に「段落を書く技術」が参考になったので、ためになった部分を引用しておきたい。特に、一つの段落内に色々な内容を詰め込もうとせずに、意識的に主題を絞りこみ、他の段落が欠落しても通じるような独立性の高い内容にするという点が印象に残った。

 よい段落を書くためには、他の段落に頼らずに意味のわかる段落、文章の要素として独立性の高い段落を書くことが大事です。それには、主題の明確な段落を書くことと、結束性(つながり)の強い段落を書く必要があります。

 段落を書くときには主題を明示するように心がけるべきです。これは文の主語を明示することと同じ意味を持ちます。こうすると、文章の要素としての段落に独立性が生まれます。主題を明示しない場合には、主語を明示しない文の場合と同じく、主題を簡単に推理できるような構造にすることです。

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