『しまむら逆転発想のマニュアル:驚異の低価格・高利益のマジック商法』

溝上行伸『しまむら逆転発想のマニュアル:驚異の低価格・高利益のマジック商法』(ぱる出版 2001)を読む。
2009年2月現在、売り上げ3663億円、全国1123店舗を数えるファッションセンターしまむらの成長の秘訣が詳しく解説されている。
ユニクロやヨー カドーに比べ、しまむらというと、郊外にある主婦向けのダサいイメージがあった。しかし、その急成長の背景には、20代から40代の女性にターゲットを絞ったドミナント出店や徹底した中央コントロールによる単品管理、コンビニ以上の極めて緻密な物流システムの構築といった戦略がある。

ファーストリテイリングが展開するユニクロが、企画、開発、制作から販売まで一貫して手がけるSPA(製造小売業)業態をとっているのに対し、しまむらは 自社開発は一切せず、メーカーとの良好な関係を保つことで小売業に専念している。また、本部のPOSシステムによって全国1000店舗、4万にも及ぶ商品を全て単品管理しているとのこと。そして、全国6カ所にある物流センターと店舗間の配送だけでなく、中央システムの判断で、ある店舗で売れ残った商品を販売データから少しでも売れそうな店舗に順次回していく配送も行っている。パート社員の徹底した活用や緻密な業務マニュアルの作成など、店舗のイメージからは伺い知れない極めて合理的な経営戦略を持っていることが理解できた。

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