大英出版編集部編『とりたい!! 気象予報士:よくばり資格情報源…取り方&活用法』(大英出版 1995)を読む。
出版の前年、1994年から始まった気象予報士の資格の概要や、気象予報の仕事、試験の勉強法などがかいつまんで説明されている。中高生の将来の仕事の調べ学習程度の薄い本なので、気象の専門的なことについてはあまり触れられていないが、気象予報にかけるおじさんたちの思いは伝わってきた。20年近く前の本なので、データなどはあまり信用できないが、気象庁の管轄事項や天気図の簡単な書き方は参考になった。
また、「気候」という言葉は、名宰相と言われた周公旦が1年を15日ずつに分けた「二十四節気」と、それをさらに5日ずつに等分した「七十二候」の「気」と「候」を合わせたものだということを初めて知った。「二十四節気・七十二候」という言葉は、「立春」や「大寒」などよく耳にしており、古文や漢文の季節感を表す季語なのだろうという理解しかなかった。しかし、この太陽太陰暦は、自然環境と農業を密接に結びつける指標となっており、昔の人たちの季節や気象に対する正確な認識に改めて畏敬の念を抱いた。