月別アーカイブ: 2001年6月

『白と黒』

横溝正史『白と黒』(角川文庫)を半分だけ読んでやめた。
前半部までで展開が冗長すぎて、読み進めていくのがつらくなった。伏線を多く張るのもよいが、テンポは大事であろう。

『書く前に読もう超明解文学史』

三田誠広『書く前に読もう超明解文学史』(集英社文庫 2000)を読んだ。
戦後反戦闘争における、早大教授ゆえの(?)ひねくれた歴史観にはがっかりするが、「実存」と「構造」の対立という見方で、戦後派、第三の新人、内向の世代を区分する見方は面白かった。とかく戦後文学の流れは作家がまだ生きているだけあって、その位置づけは難しいが、題名通りの思い切った分類は英断であろう。
文学の視点については、確か野間宏も同じようなことをもっと難しい言い方で表現していたのではなかろうか。確か野間はシェイクスピアの『リア王』を題材に「個別」と「普遍」という観点から、文学のもつ哲学的な、そして政治的な原動力をどこかの本で書いてあったと思う。

『Joint Security Area』

jsa_movie

本日の夕方大宮へ韓国映画『JSA』(2001 韓国)を観に行った。
38度線の共同管理地域ジョイント・セキュリティー・エリア(JSA)の警備施設で殺人事件が行われたというものだ。単純な戦争とロマンスの映画かと思っていたが、複雑な国家間の対立に挟まれた兵士の葛藤がテンポ良く描かれており、久々に面白い映画だった。