10年に1度の台風が迫る中、子どもをお風呂にいれてすぐにイオン春日部に駆けつけ、マット・デイモン主演『エリジウム』(2013 米)を観た。
人口増と環境悪化に苦しむ22世紀が舞台である。十分な医療を受けられない貧困層が集まる地球と、怪我や病気が100%再生されて完治する「医療ポッド」が各家庭に配備されたスペースコロニー「エリジウム」の争いが開始される。パワードスーツを着た男たちの超人ばりのバトルシーンや、地球とコロニーを往復する飛行機(?)などの迫力ある映像を堪能した。
最新鋭のアンドロイドに守られたスペースコロニーであるが、いとも簡単に不法侵入を許し、昔ながらの巨大工場のような中央コンピューターシステムが乗っ取られてしまう展開には少々疑問符が伴うが、『水戸黄門』を見ているかのような安心感を覚える作品でもある。
テレビで盛んに強い風に飛ばされないようにと警告がなされていたためか、観客は私一人であった。 鼻を啜っても一人
「映画」カテゴリーアーカイブ
『オイディプスの刃』
『トランスポーター3 アンリミテッド』
『それでもぼくはやってない』
地上波で放映された、周防正行監督・脚本、加瀬亮主演『それでもぼくはやってない』(2007 東宝)を観た。
最後まで全く笑いのない映画であったが、証言の信憑性だけが問われる痴漢冤罪事件の難しさがひしひしと伝わってくる良作であった。警察のメンツを潰さないために、警察が「捏造」した自白証言や証拠を鵜呑みにして起訴に持ち込む検察と、自己の保身、警察や検察との付き合いを優先させ、99.9%という確率で刑事事件の有罪を下す裁判所のありように真っ向から切り込んでいく。今回の地上波の放映枠では、最後に「告訴します」という力強い台詞の後に、長い戦いの果てに登場するドラゴンのように、最高裁が背景として映し出されエンディングを迎える。司法や警察行政の背後にあるどろどろした不気味な馴れ合い主義の公務員体質こそが裁かれなければならないのである。
『サイレント・ワールド2012』
地上波で放映された、トラヴィス・フォート監督、パトリック・ラビオートゥー主演『サイレント・ワールド2012(原題 2012:ICE AGE)』(2011 米)を観た。
制作側もやけっぱちで作ったのか、わざと最低評価狙いのギャグ映画として作ったのか、記録的につまらない映画であった。全米を覆うほどの大氷河が時速320キロでニューヨークを襲うという「?」な設定のディザスター映画であった。CGは30年前のレベル、役者の演技は素人レベル、話の辻褄は合わず、しかも全く主人公に感情移入できない。最初10分ほどで怪しい予感がしたが、どれくらい下らないんだろうという興味を抑えきれず、最後まで見入ってしまった。
ヤフー映画の評価は1.47であり、ヤフー映画のユーザーレビューを拾ってみたい。
「デイ・アフター・トゥモロウの劣化版」「あまりにお粗末な映画粗雑を通り越して、コメディなのかと勘違いしてしまうほど」「酷いの先をいく」「ストーリー、キャスティング、演出、映像、すべてにおいて最悪。緊迫感ゼロ、どこがパニック??見た後に、こっちがサイレントになる」「この映画を上映しようとしている者がいることにパニックを感じます」「歴史に残る駄作。逆に見た方がいいよ」「2012年公開とは思えないCG技術。全く躍動感のないグラフィック。あり得ない都合のいい状況。」「お金をどぶに捨てましたってかんじの映画」