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『侍タイムスリッパー』

安田淳一監督、山口馬木也、冨家ノリマサ、沙倉ゆうの主演『侍タイムスリッパー』(未来映画社,2024)を観にいった。
単館上映の自主制作映画であったが、評判に評判を呼び全国上映に拡大され、ネットやニュースで噂になっていた作品である。フィクションとノンフィクション、幕末と現代がそれぞれ重層的に進行しながら、絡み合い、そしてそれぞれの物語が成長していくという奇跡のような映画となっている。

また、ちょうど先月、会津若松城に行ったばかりだったので、会津藩出身の侍に想いを寄せてしまい、新撰組の活躍を描いた司馬遼太郎の『燃えよ剣』の感動もよみがえってきて、感動も一入であった。本当にいい映画に出会えることができた。観客それぞれに違った感動があるのだろう。もう一回観たい映画であった。

『インサイド・ヘッド2』

春日部イオンで、ケルシー・マン監督『インサイド・ヘッド2』(2024,米)を観た。
字幕版が上映されていなかったので、吹き替え版を観た。時折日本語の看板やビラが映り、日本の芸能人が吹き替えを担当し、さらにエンディングもSEKAI NO OWARIの曲が流れているので、いったい洋画と邦画の区別はどこにあるのだろうと感じた。

『ガザ 素顔の日常』

会議後は、ガリー・キーン、アンドリュー・マコーネ ル監督作品『ガザ 素顔の日常』(2019)の上映会が 実施された。タイトル通り、イスラエルによる侵攻が始 まる前の、“天井のない監獄”とも評されるガザ地区 に暮らす市民の日常が描かれる。前半は、商店街に は物があふれ、スポーツやおしゃれを楽しむ若者も 多く登場するシーンが続く。しかし、後半に入ると、 銃声が街中に鳴り響き、常に死と隣り合わせの不安 な日常シーンが続く。夢も希望も抱くことができず、 フェンスの中で人生を終えるしかないという諦めが、ガザ地区生まれの子どもたちへと受け継がれていく。 怒りや悲しみは、時に生きる原動力にもなるが、諦 めからは何も生まれない。そんな市民がどうしてフェ ンスの中を逃げ惑うことになるのか。映画の中で直 接は語られないが、観客の心の中に、「どうして」と いう疑問が印象付けられる映画であった。

『ゲバルトの杜』

渋谷のユーロスペースで代島治彦監督『ゲバルトの杜~彼は早稲田で死んだ~』(ノンデライコ 2024)を観た。1972年の川口大三郎くん事件を扱ったドキュメンタリー映画である。
途中かなり寝てしまったような記憶があるが、話の要旨は大体理解できた。川口くん事件後に結成された革マル派をパージした臨時自治会や早稲田行動委員会と革マル派の衝突などが丁寧に描かれていた。当時の映像も紹介され、雰囲気は理解できた。しかし、革マル派はどのようにみるのであろうか。

『オッペンハイマー』

春日部イオンへ、クリストファー・ノーラン脚本・監督、キリアン・マーフィー主演『オッペンハイマー』(2023 米)を観に行った。
世界初の原子爆弾を開発した「原爆の父」として知られる理論物理学者ロバート・オッペンハイマーの生涯を描いた伝記映画である。途中30分ほど爆睡したのもあり、延々と聴聞シーンが続いて面白くはなかった。

ただし、オッペンハイマー博士は科学者としての誇りを捨てなかった人で、戦後は水爆の開発には携わらず、自身が中心となって進めたマンハッタン計画(原爆開発)にも、後悔を示している点は分かった。なぜ、日本での公開が遅らす必要があったのか。