学習・学び」カテゴリーアーカイブ

「休校のリスク」

ここ3週にわたって、文科省事務次官を務めながら、加計学園問題で煮湯を飲まされ、退官に追い込まれた前川氏が、学校教育に関するコラムを寄稿している。
再掲してみたので、彼の記事を読んでもらいたい。スマホでも画像をクリックすれば読める大きさまで拡大する。

一人の公務員として、新型コロナ感染拡大の恐れのある学校再開の是非について奔放に発言することは難しい。しかし、3児の父として、前川氏の述べる「学習の遅れ、体力低下、生活習慣の乱れ、ゲーム依存」といった「休校のリスク」について、ほとほと手を焼いている。まさにその通りの事態を抱えざるを得ず、休校が延長され暗澹たる思い出ある。皆さんの家庭はどうだろうか。学校が再開されるリスクよりも、休校する方が安全・安心だと言い切れるだろうか。

確かに、休校が続く中で、家庭教育の意味はこれまで以上に重くなっている。しかし、日本では江戸時代の寺子屋制度に見られるように、数百年前から公教育が社会性や人間性の育成の場を担ってきたのである。それを家庭の責任、個人の選択に丸投げするということは、これまでの日本の公教育制度を否定するということに繋がる議論である。

浪人を決断した君へ

少々早いですが、卒業生向けのコメントです。字数がオーバーしたので、卒業式前に皆さんに配布される冊子では、もう少しコンパクトな文章になります。浪人を勧める訳ではありませんが、浪人生活は長い人生の基礎を固める絶好の機会だと思います。浪人を決断した皆さんの心に届くメッセージを綴りました。


 三年生の皆さん卒業おめでとう。見事に希望の進路に進む人、第一志望ではない進路を選択した人、そして不本意にも進路が決定していない人、悲喜こもごもでしょう。高校の卒業式の帰り道、ひたすら不安しかなかった先輩として、「浪人」のコツを伝授します。

1.長い人生の中で、自分のためだけに時間を使えるチャンスはいくつもありません。自分が高くジャンプできる一年間として、前向きに捉えることが何よりも大切です。プラス思考で浪人を受けとめられるかが、合否の分かれ目です。

2.中学や高校では、予め決められた時間軸の中で、全員でテストや行事に取り組むことで、年間のスケジュールをこなしてきました。しかし、浪人生活はそのように自動的に時間は流れていきません。自分がサボると時間は止まったままです。各社の模試を短期目標にして、自分で日程や生活習慣、時間割を作っていくことが必要となってきます。

3.受験勉強は、授業のようにワイワイ、ガヤガヤとやるものではありません。他人からの評価も少なく、一人で寂しく問題集を積み重ねていく作業です。夏が近づいてくると、「何で集中できないのか」「どうして継続できないのか」と悩み、自分の精神的に弱い点が突きつけられます。でも、そうした弱い自分自身を仲間に加えていくことで、強いパーティを作ることができます。孤独に耐える力が原動力です。

4.おそらく、東京五輪が終わった秋ごろに、成績の伸び悩みや焦りが訪れることでしょう。焦りからは、何も生まれません。秋からは、心と体を整える時期です。浪人の多くの者が秋に一時的スランプを経験します。受験は最後、平常心と体力です。「待てば海路の日和あり」の心境で、じっくりと勝負の時を待ち構えてください。

文化系トークラジオ Life

TBSラジオで隔月で放送されている、「文化系トークラジオLife」という番組があります。主に社会学を専門とする若手の学者や評論家が集まって、社会時評やサブカルチャー分析を対談形式で進めていく内容です。

社会学という学問は、人間や集団を取り巻く社会現象、およびその構造について分析する幅広い学問です。そのため学者も、世界史の教科書にも登場する『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を著したマックス=ウェーバーから、発言で頻繁に「炎上」する古市憲寿まで、顔ぶれも多彩です。

その古市さんを生み出したのが、上記のラジオ番組です。最近では、リアル世界で友達と集まる場所や、ネット空間や公共空間におけるジレンマなどについて論じています。

センター試験の国語の評論文でも、社会学者の文章が扱われるようになってきました。大学での学びを味ってみたい生徒にオススメします。過去の放送も全てネットで聴くことができます。以下のサイトをご覧ください。

文化系トークラジオ Life ニュース版

足立区立郷土博物館

自転車で足立区立郷土博物館を訪れた。
特に目的地にしてたわけではなく,暑かったので,休憩がてら入館した。
江戸時代の新田開発から,昭和初期の工業化,高度経済成長以降の宅地化まで,都心近郊という場所柄,どんどんと風景を変える足立区の変遷が分かりやすくまとめられていた。ボランティアさんの話っぷりも興味深かった。