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『日本会議の研究』

菅野完『日本会議の研究』(扶桑社新書,2016)を読む。
安倍政権を支えた日本会議の元締めの「犯人」に迫るミステリーを読んでいるようなワクワク感があり、一気に読み進めてしまった。著者はネット右翼や宗教団体など幅広い支持層を固める日本会議の運動の原点はどこにあるのかと、丁寧な文献調査やインタビューを行なっている。そうした中で、長崎大学で左翼学生と対峙し、後に「成長の家」の青年部をまとめてきた安東巌や樺島有三がその元締めであるという結論に至る。

しかし、著者は与野党問わず政界に大きな力を及ぼすに至った日本会議は、ゆめゆめ「犯罪」など行なっておらず、むしろ、デモや陳情、署名、抗議集会、勉強会といった極めて民主的な市民運動を何十年も継続してきた団体であると評価している。
著者は最後に次のように述べる。

(日本会議)の運動は確実に効果を生み、安倍政権を支えるまでに成長し、国憲を改変するまでの勢力となった。このままいけば、「民主的な市民運動」は日本の民主主義を殺すだろう。なんたる皮肉。これでは悲喜劇ではないか!
だが、もし、民主主義を殺すものが「民主的な運動」であるならば、民主主義を生かすのも「民主的な市民運動」であるはずだ。そこに希望を見いだすしかない。賢明な市民が連帯し、彼らの運動にならい、地道に活動すれば、民主主義は守れる。

『カリスマ先生の小論文・作文』

樋口裕一『カリスマ先生の小論文・作文:7日間で基礎から学び直す』(PHP研究所,2006)をパラパラと読む。
著書の他の本は何冊か読んだことがあるが、どの著書も趣旨は一貫していて、「1:4:4:1」の小論文の基本の「型」に習熟することで、誰しも小論文が上達するという内容である。例題や参考答案も多く、読むのは大変だが、勉強する高校生・浪人生には良いであろう。

起句(序論)の書き出しの基本的なパターンが参考になったので、列記しておきたい。

  • 疑問文で始める
    「……だろうか」が基本であるが、もし「イエス」で答えたいときは、「……かどうかについて、考えてみたい」と書き出してもよい。
  • 客観的な事実で始める
    「最近のマスコミの報道などでは……」「……と、しばしば言われる」は書き出しやすい。
  • 定義・分類で始める
    「……とは、〜である」「……には三種類ある」「AとBの違いは……にある」など、設問に定義のはっきりしない言葉が含まれている場合だと無難な書き出しになる。
  • 個人的体験で始める
    うまく使うと個性的な書き出しになるが、失敗すると下手な作文になりがち。できるだけ短めにまとめるのがコツ。
  • 結論で始める
    「イエス・ノー」で答えにくいときに使うとよい。ただし、はじめに結論を言ってしまうと、あとで書くことがなくなってしまって、途中で終わってしまいがちなので注意。
  • ほのめかす
    上級者向け。「イエス・ノー」の問題提起をせずに、ほのめかす程度にする。

『からだのひみつ』

田口ランディ・寺門琢己『からだのひみつ』(メディアファクトリー,2000)を半分ほど読む。
男女の体の仕組みや身体感覚、セックスなどについて、作家の田口さんと整体師の寺門さんの対談集となっている。性的なテーマも多く、男女の身体感覚の明確な違いや、身体感覚に根ざした生き方や行動などの話は興味深かった。しかし、いくら読んでも同じような話が繰り返されるので、途中で飽きてしまった。

骨盤の開閉の話に目が留まった。2枚の腸骨と仙骨からなる骨盤は、2週間かけて開き、2週間かけて閉じる。この動きは女性の場合は排卵、生理の周期と連動していて分かりやすいが、男性の場合も全く同じように開閉が行われる。この動きに連動して体全体の骨も動いているとのこと。

SMは基本的に皮膚感覚の鋭敏化を促す行為である。SMの時に目隠ししたり、ぴったりからだをラップで巻いたりするプレイがあるが、そうすると、自分の皮膚にぱーっと意識が集中して、要するに神経が通った状態になる。自分の体の中の神経が無理矢理皮膚の表面までひっぱってくるような行為がSMを通じて行われる。

『博物館を楽しむ』

川那部浩哉編著『博物館を楽しむ:琵琶湖博物館ものがたり』(岩波ジュニア新書,2000)をパラパラと読む。
滋賀県立琵琶湖博物館の開館当時から館長を務めていた著者が、職場でのあれこれを語りながら、博物館全体の動きを伝えようとしている。しかし、琵琶湖博物館ローカルな話ばかりでつまらなかった。

滋賀県知事を務め、現在参議院議員の嘉田由紀子氏が、近代の生活について寄稿しているのが目に留まった。嘉田氏は京都大学院農学研究科博士課程を修了し、県職員として琵琶湖博物館の構想段階から深く関わっている。

『ゾウの歩んできた道』

小原秀雄『ゾウの歩んできた道』(岩波ジュニア新書,2002)をちょこっとだけ読む。
タイトルにある「道」は実際にゾウが踏み歩いてできた獣道という意味と、5000万年前のゾウの先祖から進化して、現在のアジアゾウとアフリカゾウの2系統になった進化の道(過程)の2つがあり、それぞれについて説明している。といっても進化論が大半で興味がわかなかった。最後に象牙の密輸によって人間がゾウを絶滅に追い込んでいるという警告があった。