石垣綾子『アメリカに学ぶこと:パール・バックの人生論』(岩波ジュニア新書 1985)をパラパラと読む。
思いっきりつまらない本であった。極めて個人的な体験ばかりが続く。タイトルにもある通り、1938年にノーベル文学賞を受賞したパール・サイデンストリッカー・バックの生まれ育ちや、著者とバックとの出会い、そしてバックとの触れ合いを通して得た自由と自立を重んじるアメリカ的価値観が紹介される。
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『世界の気象 総めぐり』
土屋愛寿『世界の気象 総めぐり』(岩波ジュニア新書 2001)を読む。
どうしてもこの手の本は、参考文献の寄せ集めで、現実感のない解説ばかりになりがちである。しかし、著者の土屋さんは東京の公立の小・中学校に勤務し、日本地学教育学会の一員として海外巡検に参加し、以後、休暇を利用して世界各国を旅し続けている。そのため教科書レベルのケッペンの気候区分や砂漠での生活、暖流や寒流、貿易風など、基礎的な知識をおさらいしながら、実際の現地の様子が手に取るように分かるという「鬼に金棒」な内容であった。
ペルー海流の影響でガラパゴス諸島にペンギンが棲んでいるという話や、瀬戸内海沿岸で夏の小雨傾向の気候を利用して塩田が発達したという豆知識を得ることができた。他にも実際にウガンダやブルンジを訪れてアフリカ大地溝帯の聳り立つ壁に驚いたり、世界173カ国を実際に訪れる中で、日本の気候が過ごしにくいということを実感したりする話など興味深かった。
『「看取り」の作法』
香山リカ『「看取り」の作法』(祥伝社新書 2011)をパラパラと読む。
著者自身が父親の最期を見送った経験を踏まえ、看取った家族の後悔や悲しみなどについて論じている。著者は精神科医なので、遺族の方の受け止め方について、精神医学の見地から説明しているので分かりやすかった。
『青春とはなにか』
直継伸彦『青春とはなにか:友だち・スポーツ・読書』(岩波ジュニア新書 1985)をパラパラと読む。
著者は京都大学文学部を卒業し、大学で文学を教えるかたわら創作活動を続けた文学者である。その著者が50歳を過ぎ、地震の子どもの成長と重ね合わせながら、若者に向けての読書の大切さと喜びを説く。
序章の中で筆者は次のように述べる。今となっては、いささかぶっ飛んだ主張である。文学作品で人を育てることができるのは国語教員としての理想ではある。ただし、現行の教育課程でも文学は国語教育のオプションの1つに成り下がってしまっている。そうした時代の中で、文学の持つ力は?
心の教育とは、まず第一に、人生の広大で深遠な実相を教えることである。人生の門口に立ったばかりの少年少女に、生き生きとした好奇心を喚起しながら、人生はこのようなものであるのかと実感させてくれるのは、理屈っぽい人生論や人生案内のたぐいではない。それは第一に文学書である。
『燃料電池とナノテクの時代』
Newtonムック『燃料電池とナノテクの時代』(ニュートンプレス 2007)をパラパラと眺める。
当時話題となっていた燃料電池とナノテクノロジーの2つについて、仕組みに始まり、商品化の可能性などが図入りで説明されている。
自己修復するプラスチックの開発に成功した名古屋大学工学研究科材料機能工学専攻材料物理化学講座の武田邦彦教授のインタビューも掲載されていた。現在ではバラエティ番組の科学者パネラーや右寄りの政治評論家としても活躍されている武田さんであるが、当時は極めて真面目な顔でインタビューに答えている。
量子コンピュータなど実用化されたものもあるが、水素燃料はあまり普及していない。リチウムの高騰なども一因か。